再配達を依頼したけど受け取れない…宅配業者から訴えられる可能性はある?
契約をしていない以上、運賃を支払う義務はないのです。
なお、運送契約に適用される約束事(正確には約款といいます)には、大抵の場合、受け取り側が荷物を受け取らず、送り主に返送することになったときは、返送費用などを宅配業者が送り主に請求できる、とされています。むしろ訴えられる(追加費用を請求される)可能性があるのは、送り主です。
■受け取り側が絶対に訴えられないというわけではない
とはいえ、受け取り側も訴えられる可能性がゼロというわけではありません。
まず、結局荷物を受け取れず荷物が送り主へ返送された場合に、送り主が宅配業者へ追加費用を支払ったときは、送り主から追加費用と同額の請求を受ける可能性があります。
ただし、この追加費用はさほど高くないと思われます。この費用を取り立てるためだけに裁判を起こすということはあまり考えられません。商品代金に費用が上乗せされた請求を受ける、ということはあり得ます。
また、「受け取れないかもしれない」と思いつつも、「まあ、いいか」と再配達を依頼し、宅配業者に損害を与えれば、不法行為による損害賠償を請求される可能性があります。
急な用事で外出して受け取れなかったという場合でも、再配達が受け取れないと思いつつ外出するでしょうから、理論上は、故意又は過失があるということで、損害賠償責任が発生する可能性があります。