まれに起こる踏切内立ち入り…故意じゃなくても損害賠償しないとダメ?
により他人に損害を与えた場合でも損害賠償義務を負うと定めていますから、理由のいかんを問わず、電車を止めた人に過失がある場合には鉄道会社に生じた損害を払わなければならなくなります。
実際には、電車を止めてしまった場合でも鉄道会社から損害賠償請求をされることは少ないのですが、それは、
(1)自動車の故障や急な体調不良で電車を止めてしまったことについて過失があるとまではいえない場合(そのように鉄道会社が判断した場合)
(2)電車を止めた人に過失はあるが、鉄道会社に振替輸送費や旅客対応のための余分な人件費等の損害が生じなかった場合
(3)電車を止めた人に過失があり、かつ、鉄道会社に損害は生じたが、諸々の事情により鉄道会社が請求をしない場合
上記のいずれかに該当するからだといえます。つまり、法律上は、電車を止めた人の過失によって鉄道会社に損害が生じたときは、鉄道会社からの請求を拒否することはできないということなのです。踏切の警報機が鳴らなかったために踏切内に閉じ込められてしまった場合など、電車を止めてしまったことについて鉄道会社にも過失がある場合には、過失相殺により実際の賠償額は低額になります。