コンサートに行ったら混み過ぎで熱中症に…治療費は請求できる?
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ロックバンド「ONE OK ROCK」が4月8日に幕張メッセで開催したコンサートで、熱中症や過呼吸などの体調不良を起こす観客が続出したそうです。50人以上が症状を訴え、21人が病院に搬送されました。
このように、コンサート会場で熱中症や怪我などの事故があった場合、観客は治療費などを支払ってもらうことはできるのでしょうか?あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお伺いしました。
■主催者には観客の安全確保義務がある
「“事故が起きる可能性を予測できたのに、対策しなかった”という場合には、請求できます。コンサートの主催者は、観客との間で、コンサートを提供することを内容とする契約を結びます(=チケット購入)。
この契約には、契約条項として明示されていなくても、観客の安全を確保する義務が付随します。
“事故が起きる可能性を予測できた”場合において、“対策しようと思えばできたのに、対策しなかった(=過失がある)”というときは、この義務に違反したということで、損害賠償責任が発生します。
ただし、以下のふたつの問題があります。