会社の業績が悪いから給料一律20%カット…仕方がない?
近年はバブル崩壊時、リーマンショック直後に比べると比較的景気のいい時期であるといえますが、それでも業種によっては慢性的に不景気な会社もあるようです。
このような会社でいきなり「業績悪化により給与を20%カットする!」と会社から通知を受けたとします。このように、一方的に会社が従業員の給与を引き下げることは違法ではないのでしょうか?
Q.いきなり賃金20%カットなんて違法では?
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A.従業員への説明・同意なしに行われた賃金カットは違法です。
三井埠頭事件という判例がありますが、この会社は業績悪化に伴い会社更生法の適用を申請していましたが、従業員に対して一方的に賃金の20%カットを行ったため、この有効性が争われた事件です。
判例では、「労働契約における最も重要な要素である賃金を使用者が一方的に減額することは許されない」とし、会社側が敗訴することになりました。
会社更生法の適用となった会社ですら賃金カットが裁判で無効とされたのですから、単に業績が悪化しているからといって賃金を一方的にカットするのは違法であるということができます。
一方的に賃金をカットする前には、新規採用を控えたり、残業数や賞与額を減らしたり、会社としてできる限りの努力をすることが求められます。