「高速道路の逆走」 事故が無ければ問われるのは通行区分違反のみ!?
相手方の違反行為により損害を被ったとしても、やはり運転者自身も自動車を運転する際には注意をすることが必要です。
■逆走した人が認知症を患っていたら過失を免れる?
まず、認知症を患っている者が高速道路を逆走し、事故を起こして人を死傷させた場合、運転行為に過失があると判断されると、自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死傷罪により処罰されます。
この場合に科せられる刑は、7年以下の懲役もしくは禁固又は100万円以下の罰金です。
ただ、負った怪我の程度が軽く、また量刑を定めるにあたって斟酌すべき事情(情状)がある場合には、任意的に刑を免除することができます。
一方で、運転者が重度の認知症を患っており、そもそも責任能力がないというような場合、刑事責任が問われないケースもあります。
この場合、民事上の損害賠償についても責任能力がないとして、賠償責任を負わないことになります(民法713条)。
ただ、運転者を監督すべき者がいる場合には、監督義務を怠ったとしてその者が損害賠償義務を負うことはあり得ます(民法714条)。
なお、高齢者による交通事故の増加に伴い、道路交通法が平成29年の3月に改正されました。