パトカーに追跡されていた車が事故を起こしたようなケースでは、その追跡行為が違法である場合に限り、その警察を設置している公共団体に対して、国家賠償法に基づく損害賠償請求をすることができます。
そして、どのような場合に警察官の追跡行為が違法となるかについて、最高裁判所は、
「およそ警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断してなんらかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由のある者を停止させて質問し、また、現行犯人を現認した場合には速やかにその検挙又は逮捕に当たる職責を負う(警察法2条、同65条、警察官職務執行法2条1項)」
として職責を認定しています。
そのうえで「職責を遂行するために被疑者を追跡することはもとよりなしうるところ」として、追跡行為自体の正当性を認めています。
「警察官がかかる目的のために交通法規等に違反して車両で逃走する者をパトカーで追跡する職務の執行中に、逃走車両の走行により第三者が損害を被った場合」については、その
「追跡が当該職務目的を遂行する上で不必要であるか、又は逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らし、追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が不相当であることを要する」