駅の非常停止ボタンをいたずら目的で押した場合は逮捕される?
駅のホームや踏切に設置されている非常停止ボタンは、安全確保のためにすみやかに電車を停止させる目的で設置されたものです。例えば、ホームから線路に転落してしまった人や踏切で立ち往生してしまった車を見つけたときなどは迷わずボタンを押すべきでしょう。
しかし、非常停止ボタンをいたずら目的で押した場合はどうなるでしょうか?非常停止ボタンが押されると、乗務員や駅員による安全確認が行われるため、電車が遅延することになります。
例えば、首都圏では1日当たり1,000万人以上の人が電車を利用していますが、いたずら目的で非常停止ボタンが押された場合には、これだけ多くの人に多大な迷惑を及ぼすことになります。このような迷惑行為に対する罰則はないのでしょうか。
この記事は、琥珀法律事務所の川浪 芳聖かわなみよしのり 先生に監修いただきました。
非常停止ボタンをいたずら目的で押したら逮捕?
非常停止ボタンをいたずら目的で押した場合、偽計ないしは威力を用いて鉄道会社の業務を妨害したとして、警察に偽計業務妨害罪、威力業務妨害罪などで逮捕される可能性があります。
偽計業務妨害罪とは、人をだましたり、勘違いしていることを利用したりして業務を妨害した場合に適用される罪であり、威力業務妨害罪とは、暴行や脅迫はもちろん、それに至らないような人の意思を制圧するに足りる勢力によって、業務を妨害した場合に適用される罪です。