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高級寿司屋の多くはメニューに値段を明記しません。魚の仕入れ値は寿司の金額に影響し、その日の漁獲量・買い手の数に応じて変動するからです。
仕入れ値が変わるたびに、料金表を書き換えるのは面倒なため、一部の寿司屋では、メニューに値段を表記せず、時価(時期に変動する価格)とだけ表記します。
しかし、そもそも店側は料金表に値段を明記する義務はないのでしょうか?
虎ノ門法律経済事務所の齋藤健博弁護士に見解を伺いました。
■寿司屋に料金明記の義務はないのか?
『消費税転嫁対策特別措置法』によると、料金表示する場合には税込み価格を表示(総額表示)することが義務付けられています。メニューに値段を記載しないことは、この法律に反している気がしますが、そもそも価格を表示しなければ総額表示する必要はありません。
料金表示する場合に税込み表示を義務付ける法律であり、料金自体の表示を義務付ける法律ではないからです。
参考:「No.6902 「総額表示」の義務付け|消費税|国税庁 – 国税庁ホームページ」
◆契約は法的に成立するのか?
では、値段が表記されていないにもかかわらず、飲食物提供契約は成立するのでしょうか?
法律では内容と金額に合意した場合、契約が成立すると解釈されますが、時価表記の寿司屋では注文時は値段が決まっているため、注文した段階で金額に合意したと解釈されます。