日大アメフト部員による悪質タックル…スポーツの試合で故意に相手を怪我させた場合不法行為になる?
したがって、ルールの範囲内での行為については、正当な行為として違法ではないと解されています。
逆に、ルールの範囲外の反則行為で相手を怪我させた場合は、正当行為とは認められず、刑事上、民事上の責任が生ずる可能性があります。もっとも、故意に反則を犯したのか、勢い余って反則になってしまったのかの線引きは難しく、裁判上責任ありと判断されたケースはさほど多くはありません。あくまで、個々のスポーツの特性や事故が起こった際の具体的状況を全体的に考慮して、違法か否かの判断がなされるものと考えられます」
■日大アメフト部員の悪質タックルは不法行為になる?
次に今回の日本大学アメリカンフットボール部員による悪質タックルについて、不法行為になりうるのかなど、見解を伺いました。
生田弁護士:「今回の悪質タックルケースは、プレーが終了してから4~5秒後にタックルに行っており、故意に反則を犯したことが明白であること、タックル自体が重大な怪我につながる可能性のある行為であることからすると、刑事上、民事上の責任を追及される可能性はあると考えられます。もちろん、それを監督やコーチが指示したのであれば、共同で責任を問われることになります。