くらし情報『【法的に問題は?】事件や事故の被害者を写真入りで実名報道…弁護士が解説!』

【法的に問題は?】事件や事故の被害者を写真入りで実名報道…弁護士が解説!

が侵害された、といえる必要があります。

具体的には、「プライバシー」や「静穏に故人を悼む利益」、「敬愛追慕の情」などがあげられるでしょう。しかし、「プライバシー」として保護されるためには、一般に、公表される事柄が

ア私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること
イ一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること、換言すれば一般人の感覚を基準として公開されることによつて心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められることがらであること
ウ一般の人々に未だ知られていないことがらであること
という要件を満たす必要があるとされています(東京地方裁判所昭和39年9月28日判決・判タ 165号184頁)。

「自分の家族が事件や事故でで亡くなったこと」が報道された場合、上記のうちアとウについては満たすといえるでしょう。

一方、イについては、(当該家族がどう思ったか、感じたかではなく)一般人の感受性・感覚に照らしてみた場合に「公開を欲しない」あるいは「心理的な負担、不安を覚える」か、一概には言えないように思われます(例えば、交通事故による被害者の場合と、性犯罪による被害者の場合とでは、判断は異なってくるでしょう)。

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