電動歯ブラシのおすすめを矯正歯科医に聞いたら意外な答えだった!
電動歯ブラシの普及が広まり、今では数多くのメーカーが参入。数多くの商品が登場しています。Amazonや楽天などのECサイトで検索すると、商品がずらずら…。いったいどういうものを購入すればよいのでしょう?
電動歯ブラシを比較すると大きく3分類
まず、電動歯ブラシを購入する前に、国内における電動歯ブラシの歴史を理解しておくと、アイテム選びに役に立ちそう。登場したブランドを世代別にまとめました。電動歯ブラシ「第1世代」1960~1980 年代
実は以外その歴史は古く、第1世代は半世紀前にさかのぼる。ブラウンが電動歯ブラシを初めて発売したのは、1963年。日本国内ではパナソニックが1977年に「EZ100 シロッパ」という乾電池式の電動歯ブラシを発売開始。
翌年1978年にはオムロンが「エレデント HT-B10」を発売しています。
電動歯ブラシは海外から来たアイテム、と思っていましたが、国内メーカーも1970年代から開発していたのです。電動歯ブラシ「第2世代」1990~2010 年代
本格的に普及を始めたのがこの世代。現フィリップスの「ソニッケアー」は1992年のフロリダで開催された歯周会議で発表されました。2002年、パナソニックからは2010年に大ヒットとなるポケットドルツの第1号、「EW1013 ドルツ」が登場しました。電動歯ブラシ「第3世代」 2010年代~現在
国内外、多くのナショナルブランドが参入をとげ、安価なエントリーモデルが登場するようになり、今では様々なメーカーが参入。5000円程度で購入できる商品も増えています。
安価な電動歯ブラシにおすすめのアイテムはある?
しかし、メジャーなナショナルブランドのアイテムとそうでない物、はたして違いが出るものでしょうか? そこで、今回はあまり耳なじみのない、第3世代の安価なモデルを購入。
Amazonの評価レビューが高いアイテム5つを購入し、実際、その商品を『国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”』(幻冬舎)の著者である矯正歯科専門医の宮島悠旗さんに見ていただきました。
今回購入したのはコチラ。その1.Mesuvida SONIC TOOTHBRUSH
振動頻度30000回/分
どうやら中国の会社が販売元。IPX7相当の防水機能があり、完全放電状態からの充電には12~16時間必要。USB充電も可能。セット内容はコチラ
使用者のコメント
2000円というお手頃価格で電動歯ブラシを購入しました。
歯ブラシのみではなく、付属品も付いているので大変お得だと思います。
本体は少し大きめです。
モードも3種類あり、よく作られていると思います。
防水なので丸ごと水洗いできるも衛生的で満足です。
出典元:『Amazon』Mesuvida
その2.Aiyabrush Sonic Toothbrush ZR101
振動頻度31000回/分
Shenzhen Bit Informaton Technologyという、こちらも中国のメーカー。ブラシはConfortableとProfessionalの2種が付属。セット内容はコチラ
使用者のコメント
初めて電動ハブラシを使いました。
歯が綺麗になる感じがとても実感できます!
予想以上に大きかったですが全然気にならならない程度です
。
使おうか迷ってる方、とてもいい商品なのでぜひ買って使ってみてください
出典元:『Amazon』Aiyabrush
その3.KIVOS 音波電動歯ブラシ S52
振動頻度32000回/分
こちらはShenzhen KIVOS Technologyという、やっぱり中国のメーカーでした。USB給電可で、アメリカ・デュポン社の柔らかなブラシ毛を最小。
中国の深センはこういったテクノロジー関連商品のメーカーが多いようですね。セット内容はコチラ
使用者のコメント
音波駆動のものに比べ実効性は高いと思うまたブラシ部の形状は比較的小さいので操作性も高いと思う
しかしながらブラシそのものの耐久性に難あり
数回の使用でブラシ先端がひらき通常の歯ブラシで数ヶ月使ったようなじょうたいになった
出典元:『Amazon』KIVOS
その4.BITOU BEAUTY 電気歯ブラシ BB-101
振動頻度35000回/分
こちらもアメリカ。デュポン社のブラシ毛を採用。IPX7準拠の防水性能。セット内容はコチラ
使用者のコメント
旦那さんに誕生日プレゼントで購入しました!
色が男性用に黒などがあればさらに良かったなぁと思いますが、使い心地は花丸!これを使うと手で自分で歯を磨くのには戻れないと話していました!電動歯ブラシは振動が強すぎて苦手なのですが、私も購入したいなぁと思いました!
出典元:『Amazon』BITOU BEAUTY
その5.Loftwell 電動歯ブラシ/D9
振動頻度42000回/分
今回購入したなかで、唯一保証カードが封入されていました。フル充電まで約3.5時間と短時間。幅広振動をウリとしているほか、専用ホルダーによる、ブラシの紫外線殺菌機能も搭載しているという。セット内容はコチラ
使用者のコメント
振動は3段階ありますが違いが解らないくらいです。
磨いた後は歯がツルツルです。ただ1週間で価格が1000円も安くなっていたのが残念です。
電源がUSBなので普通の100Vの電源もあればもっと使い勝手がいいと思います。舌ブラシはブラシではなくゴムの浅い凹凸です。
出典元:『Amazon』LOFTWELL
正直、どの商品も機能的にはあまり差がないように見えます。宮島さんの感想やいかに?矯正歯科医に電動歯ブラシの選び方を聞いてみると…
まず、宮島さんが全体を見て共通して感じたのは「どの商品もブラシが大きい」ということ。
「ブラッシングには歯科医のなかでも様々な考え方がありますが、歯の奥まできちんとブラシを届かせることを考えると、ヘッドは小さめの方が好ましいです。また、ブラシの毛は柔らかいものである方がよいです」(以下同、宮島さん)
今回購入してみた商品のブラシにも、多少の大小はあるものの、それでもまだまだ大きいということ。
また、ブラシのカットにも言及が。
「ジグザグにカットされたブラシは、いかにも歯にフィットしそうに感じますが、歯を均一の力で効率よく磨こうとするならば、ブラシ面は平らであることが望ましいです。奥歯の裏側など、届きにくい場所を磨くことを考えれば、多少ブラシ先端部を、山切りにしたい気持ちもわかりますが…」
また、今回購入した5アイテムのなかで2アイテムには「WHITE」モードという、いわゆる歯のホワイトニングに効果があるとするモードを搭載しているアイテムがあった。これには、
「通常歯のホワイトニングというものは、薬剤によって歯を白くします。毎日の歯磨き粉を付けたブラッシングを長時間続けていれば多少白く見えるようになるかもしれませんが、歯磨き粉は研磨剤であり、歯の表面を傷つけているので、長時間のブラッシングはあまり歯に良いものではありません」
とのこと。WHITEモードで磨けば、歯が白くなるというわけではないようなので、こういった商品を購入する際には注意が必要です。おすすめの電動歯ブラシを聴いてみると意外な答えが…
では、今回紹介した5商品のなかで、もっともよかったものは…? 矯正歯科医である宮島さんの意見を是非うかがいたいと思い、5アイテムのジャッジをお聞きすると「う~ん…そうですね、正直、電動歯ブラシはフィリップス社の『ソニッケアー』シリーズしかおすすめできませんね…」とのこと。
な、なんと―――――――――――!!??
でもいったいどうして?
「フィリップス社のソニッケアーシリーズは、唯一歯科医が開発にも協力していているからです。
私がブラッシング指導をしているお子さまの患者さんが、ある日診察をしたら歯がとてもキレイになっていたことがありました。聞けば、ソニッケアーを導入したそうです。ブラッシングは本人の意識や心がけに寄るところが大きく、指導をしてもなかなか磨き方が改善されないことが多いのです。そういった方の場合は、手磨きをやめてソニッケアーにすることによって、大きくブラッシングの効率が改善することも多いのです」
何とも身もふたもないオチとなってしまいましたが、正直な意見を聞けて安心。よくわからないメーカーのアイテムを買うくらいなら、ソニッケアーシリーズを買いましょう。これが、結論のようです!
(文・団子坂ゆみ/考務店)
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