【新刊】魚住陽子が遺した個人誌『花眼』(ホゥエン)からの短編集『坂を下りてくる人』 8月21日発売 駒草出版
反対に秋の別離と荒廃の最中に、萌え出る生命と、満開の花を透視することができる」という意味もあるのだという。
――『花眼』No.1「あとがき」より
1996年「動く箱」発表後に腎臓の病を患って透析生活を送った作家・魚住陽子は、腎臓移植を受けた後に執筆を再開し、2006年から2011年にかけて個人誌『花眼』(ホゥエン)全10号を刊行しました。
自身や他の作家の短編はもちろん、心情や近況を綴ったエッセイのような趣があるていねいな「あとがき」も収録したこの冊子は、装画のチョイスなどにも一貫した美意識を感じることができます。
個人誌のため、当時書店などでは手に入らなかった貴重な “魚住文学” の1つです。
長年の魚住陽子ファンはもちろん、最近その作品に触れた方にも特に魅力的なものに感じられるでしょう。
【個人誌『花眼』(ホゥエン)からの短編集がついに出版】
2021年の急逝後、一周忌を前に発表された『夢の家』に続いて刊行される本書『坂を下りてくる人』は、そんな『花眼』からの10編の短編と、著者による全10号分のあとがき、そして『花眼』各号の表紙・裏表紙やその制作背景についてのテキスト(装画を手掛け、寄稿もしている魚住氏の伴侶・加藤閑氏による)