美術館通いで寿命が延びる。全米ベストセラーの邦訳版『アート脳』7/1発売
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■神経美学がアートへの認識を変える
一般的に、アートは娯楽や現実逃避だと思われることが多いですが、神経美学の観点から著者は、「アートは身体とメンタルヘルスに関わる健康上の深刻な問題に働きかけ、驚くべき効果を発揮する力がある」と訴えます。神経美学とは、アートや美学が生理学的に人間の心身にもたらす影響を研究する分野で、近年、脳とアートの関係を示す重要なエビデンスが次々と発見されています。例えばバーチャルリアリティ(VR)を体験したり、詩や小説を読んだり、映画や音楽を鑑賞したり、踊ったりすると、あなたには生物学的な変化が生じます。具体的には神経化学物質、ホルモン、エンドルフィンの分泌を促し、感情が解放されるのです。
■アートが人を健康にする
アートがもたらす健康への影響は、下記のような事例も報告されています。
●ニューヨーク州では、アルツハイマー病が進行した男性が昔聴いていた曲を聴き、5年ぶりに息子を認識した。
●フィンランドでは、産後うつを患った母親がわが子に歌を歌い、抗うつ剤だけに頼るより早く回復している。
●バージニア州では、緊急救援隊員が絵を描くことによって最前線での救助活動のトラウマを解放した。