青山美智子の最新刊『人魚が逃げた』11/14発売 デビュー8年目の原点回帰にして意欲作
そして浮かびあがったのが、あらためて「小説」を書きたいと思う自分と、『人魚が逃げた』という作品でした。作家・青山美智子が「いま書きたい」すべてを注ぎ込んだ本作は、原点回帰の作品であると同時に、渾身の意欲作でもあるのです。
ミニチュア写真家・田中達也が表現する「青山ワールド」にも注目
『人魚が逃げた』では、実在する店や人物と、そうではないものを混在させ、現実とフィクションの境界線があいまいな世界観が描かれました。プロローグからエピローグまで、青山さんらしい繊細な仕掛けがちりばめられ、エンドロールまで見逃せない映画のような作品です。この作品の装丁写真は田中達也さんにお願いすると、執筆の段階から心に決めていたという青山美智子さん。これまでも『お探し物は図書室まで』『木曜日にはココアを』など、数々の青山作品を手がけた田中達也さんにオファーし、再タッグが実現しました。本を銀座の和光に見立てた装丁写真は、フィクションと現実が織りなす作品の世界観を見事に表現しています。
『人魚が逃げた』帯なし書影
【あらすじ】
ある日曜日、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。
どうやら「王子」