次世代の歌舞伎俳優たちが更なる活躍ができるよう、未来へ繋ぐ新しい挑戦として企画された特別公演「いぶき、」。2021年6月の京都・南座での初めての上演は、中村児太郎、市川九團次、大谷廣松らによって、『妹背山婦女庭訓』『乗合船恵方万歳』の二つの演目で行われた。好評につき、第二回が2022年1月に東京・新橋演舞場にて『春調娘七種』『与話情浮名横櫛 源氏店』『忍夜恋曲者 将門』の三つの演目を上演する予定だったが、新型コロナウイルスの影響を鑑み、残念ながら全公演が中止に。しかし、コロナ禍ではあるが、その土地の多くの若い世代にも歌舞伎の魅力を繋いでいこうという考えから仕切り直しと言える、次回の公演が東京・観世能楽堂、神奈川・横浜能楽堂で開催されることが決定した。
出演者は、第一回にも出演した中村児太郎。七代目中村芝翫を祖父に、九代目中村福助を父に持ち、1999年11月に歌舞伎座『壷坂霊験記』にて初お目見得。翌2000年9月に六代目中村児太郎を襲名している。そして、様々な舞台で児太郎と共演してきた中村隼人が初参加。
二代目中村錦之助を父に持ち、2002年2月の歌舞伎座『寺子屋』の松王丸一子小太郎で初代中村隼人を名乗り初舞台。