2022年2月8日 09:00
現代社会に幸福の形を問いかける 坂口安吾の最高傑作『夜長姫』 9PROJECTにより舞台化決定 カンフェティでチケット発売
物語の終わりに耳男が出した結論は、先行きの見えない現代社会を生きる人々にとっての一つの希望となるかもしれません。
高野 愛・相良 長仁・小川 智之・鈴木 利典
友部 康志・鈴木万里絵・遠山 結子
「…その日、オレは姫を殺した。
空はとても高くて、どこまでも広く、青かった。
姫は、青空だった。オレはその青空を、ただ…ただ、抱きしめたかったのだ」
【STORY】
「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。
いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして……」
飛騨のタクミは名を残さず。ただイノチを残す。
そう称えられた彫師の村に、人並外れた大きな耳を持つ男がいた。名を、耳男。
その異形のために人から笑われ、孤独に生きてきた男であった。
ある日、耳男の師匠の元に、夜長の村の長者からの使者がやってくる。美しいと名高い夜長姫のために、三人の匠に腕を競わせ、弥勒菩薩を作ってもらいたいのだという。図らずも、病身の師匠の代理を務めることになった耳男。だがそこで出会ったのは、純粋故の残酷さを持つ、恐ろしい姫であった…。
無邪気な笑顔で血を好み、人の死を喜ぶ幼い姫。