[プレスリリース]風化した石碑の文字を浮かび上がらせるアプリ「ひかり拓本」を奈良文化財研究所がリリース
しかし、いざ読もうとすると風化で表面が削れているなどの理由で簡単に読めないものも多数。
そのような場合、一般的には拓本という技術を使ってそのメッセージを読み解くことを試みます。拓本とは、紙を石造物に貼り、その上から墨を乗せて文字や文様を写し取る伝統的な手法のことです。この手法は広く利用されているものの、対象物を汚したり破損してしまう可能性があり、技術の熟練が必要になります。
これに対し、ひかり拓本は、石に刻まれた文字や文様に対し、様々な角度で光を照射・撮影してできた影から画像を合成するという画期的な拓本技術です。この技術により、石碑を汚すことなく効率的に碑文を読み取ることができます。
ひかり拓本の技術イメージ
ひかり拓本は開発者である奈文研の上椙英之研究員とその研究チームが調査を行う際に使用してきた技術でしたが、子どもたちが自分の住む地域に残る石碑を自らの手で拓本化し、先人たちがどのような思いでそれらを残していったのか感じてほしい、との想いで、専門家だけでなく、誰でも簡単に利用できるスマートフォン用「ひかり拓本」アプリの開発に乗り出し、クラウドファンディングによるご支援を得て、リリースしました。