【「心の名医」による、読むと心が晴れていく珠玉の言葉たち】斎藤 茂太 著『心が晴れる言葉』2025年1月15日発刊
自分の得意な範囲だけでやっていくことができれば、こんなに楽なことはない。
しかし人生は、どうもそういうふうにはできていないようだ。そのままやっていこうと思っても、そうはいかない状況が必ず起きてくる。
そんなとき、人は行き詰まる。
そして、すっかり自信をなくしてしまう人も多いが、でも、ちょっと考えてみてほしい。
誰だって、新しいことを始めたときは、その分野では小学校一年生と同じだ。
二十数年それなりに頑張って生きてきても、会社に入ったら、まだあなたは社員としては新米だ。上司が厳しかったり、自分の思いどおりにいかないことがたくさんあって当たり前なのだ。
悩みの解決を時間にゆだねる
問題の解決には、
ある程度時間がかかることは
覚えておこう。
今日立てた企画が、明日、花開いて、利益に結びつくというようなことはまずあり得ないだろう。計画を立て、何年もかけて準備をして取り組んだプロジェクトが花開くのは、三年後かもしれないし、五年後かもしれない。会社の命運を左右する大きな事業ほど、結実するまで時間はかかるだろう。その間は、自分たちのできる最善のことをしながら待つしかない。
そんな世界に身を置いている人たちは、まわりの人が成果を挙げているのを見て、
成果を挙げられない自分を情けなく思い、落ち込むかもしれない。