【高野山 別格本山 清浄心院】寺院に眠る古文書"女性出家者に向けた経典「四分尼羯磨(しぶんにこんま)」"を一般公開する「冬の寺宝展」実施|2021年12月6日~2022年3月31日
高野山 別格本山 清浄心院(本社:和歌山県伊都郡高野町、代表:池口恵観)は、清浄心院・高野山文化歴史研究所の調査によって発見された"女性出家者に向けた経典「四分尼羯磨(しぶんにこんま)」"3巻を期間限定にて一般公開いたします。
四分尼羯磨(しぶんにこんま)3巻について
女性出家者に向けて編集された経典。
内容は、出家者の集団を運営する上で必要な儀式・作法を採録して、集団への加入儀式などを17編に分けて注釈を加えたもの。
本経は紺色に染めた紙に経文の文句が一行ごとに金字と銀字で交互に書写する。表の表紙には宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)の文様が描かれ、表紙の裏の見返(みかえ)しには、見返し絵を金泥・銀泥で描く。この特徴を有する経典は、奥州の平泉の中尊寺に納められた中尊寺経の他にはなく、極めて同経に酷似する。
中尊寺経は、紺紙金銀字交書一切経(こんしきんぎんじこうしょいっさいきょう)と称されている。一切経とは、仏教の経典を集大成したもので、一セット5400巻近い経典から成り立つ。本大事業をおこしたのが奥州藤原氏の初代藤原清衡(1056-1128)であった。
実際に書写事業がはじめられたのは、永久5年(1117)