いとうせいこうと奥泉光の文芸漫談は 名作を笑いで紐解く新しい文学ライブ!今回のお題はスタンダールの「赤と黒」
です。
同類のトークショーのように、作品への理解を与えることにこそ違いはないのですが、そこに、博学がユーモアをまとったような二人の『笑い』が入ることにより、お客さまの興味をより深いところまで誘い、“豊かな文学”になるのでは、との試みです。
今回作品はスタンダールの「赤と黒」。
製材小屋のせがれとして生れ、父や兄から絶えず虐待され、暗い日々を送るジュリヤン・ソレル。
彼は華奢な体つきとデリケートな美貌の持主だが、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対する激しい憎悪の念に燃えていた。
僧侶になって出世しようという野心を抱いていたジュリヤンは、たまたま町長レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまう……。
貧しい生まれの美青年が燃やす権力への野心。
19世紀フランス文学の革命的名著。
今回も、何だそれなら知っているよ!と、言われる方も、二人の手にかかると、こんな読み方もあったのかと納得いただけるものと思いますよ!スタンダール(Stendhal)<1783年~1842年>
東南フランス、ドーフィネ地方のグルノーブルに生れた。
本名はアンリ・ベール。
ナポレオン遠征軍に参加していた陸軍士官時代にミラノに入城し、以来熱烈なイタリア賛美者となる。