2023年6月8日 10:00
イラストレーターTERU 初個展「GOOD FOR HEALTH」。"強化骨格"をテーマに、7月8日(土)より7月19日(水)まで、Anicoremix Galleryで開催
人間を作る。。。そんな禁断の力への期待が高まる一方で、間違いを犯してはならないという倫理面の壁も立ちはだかることになる。
ではここで言う倫理の壁とはなにか?
人格権、差別、品種改良、人としての尊厳。。。さまざまな意見がある。
しかしこの奥には長らく人類の価値観を支配してきた「創造主たる神」への配慮があると感じてる。
古の神だけが持つはずの人間を作り出す力を、科学という新しい神に与えてはならないという深層意識が強烈なブレーキとして働いているのではないか。科学の大きな進歩は、今まで人類が信じて進んできた道を簡単に破壊してしまうかもしれない。そこへの抵抗のようにも感じる。
では視点を変えて、クローン技術をこちら側に召喚できないのであれば自らがあちら側に赴き科学の産物と同化するのはどうだろうか。倫理面での壁をクリアできるのではないだろうか。
その重要なカギの1つが「義体化」である。
無機物をベースとして作られた人工のパーツを作るとする。すでに医療の分野では活躍している技術である。
今後さらに精度を増すであろうそれらのパーツを1つに組み上げ、十分に発達したAIを搭載してまるで人間のように振る舞った瞬間、その存在はクローン人間と同じく倫理的な罪になるのだろうか。