ベストセラー『ん』の著者が「句読点」の謎を解く 山口謠司著『てんまる』 発売
句読点が使われるようになった理由について、著者は「音読」から「黙読」への移行を挙げています。
かつて日本では黙読をする習慣がなく、文章は決まったリズムを基準に綴られる「音読」を前提としたものでした。それが教育制度の開始とともに黙読が普及しはじめ、リズムの代わりに視覚的に区切りを見つける必要が生じたため、「てんまる」を使うようになったのです。
歴史、文学、マンガなど、様々な視点から解説
本書は、この「てんまる」の意外な歴史やエピソードを紹介する教養エッセイです。古典、現代文学、詩歌や俳句、マンガなどの文献や資料をもとに、その起源から役割の変遷、使い方まで、様々な視点で「てんまる」を解説します。日本語の奥深さをと面白さを味わえる一冊です。
本書より
●かつて日本語に句読点はなかった
●「、」は奈良時代から
●鎌倉時代から室町時代は「・」
●江戸時代前期は二種類の「てんまる」
●漱石の「てんまる」
●久保田万太郎は「てんまる」を多用する
●俳句における「てんまる」
●マンガの「てんまる」は編集者がつけるほか
『てんまる』について
タイトル:てんまる
サブタイトル:日本語に革命をもたらした句読点
判型:新書判
頁数:240ページ
定価:960円+税
発売日:2022年4月16日
発行:株式会社PHP研究所
山口謠司(やまぐち・ようじ)