「もともと“継続”が苦手で成績も悪かった」…河野ゆかり、『東大王』活躍→医師国家試験合格の秘訣「大事なのは『仕組み化』」
河野ゆかり、スイスでの生活の様子写真提供/本人
2021年から24年放送のTBS系『東大王』では、“東大医学部の絶景クイーン”としてチームをけん引し、25年には東京大学医学部を卒業、医師国家試験に合格した河野ゆかり(25)。そんな河野が4月13日に自身の勉強法、自己管理術をひも解いた初の著作『東大医学部卒・河野ゆかりの「仕組み化」勉強法意志力に頼らない学習自走化メソッド』(KADOKAWA)をリリースする。きょう25日から国公立大学の二次試験、前期日程がスタートし、多くの受験生が自身の希望する大学を目指して、試験に臨んでいるが、インタビュー後編となる今回、最新著作につづられた“河野流メソッド“について、たっぷりと話を聞いた。【インタビュー前後編の後編】
■「私自身、もともと気分にムラがあり、継続が苦手なタイプでした」
――4月に著作『東大医学部卒・河野ゆかりの「仕組み化」勉強法意志力に頼らない学習自走化メソッド』をリリースされるわけですが、今回本作をまとめようと思ったきっかけを教えてください。
【河野】かねてより、Xやインスタグラムにて、フォロワーの皆様から「勉強法」や「自己管理術」について質問をお寄せいただいていました。特に印象的だったのは、「計画が続かない」「直前になると不安で手が止まる」「やる気に波があって自分を責めてしまう」といった、同じ種類の悩みが何度も届いたことです。これは受験生に限らず、資格勉強や仕事に取り組む社会人の方にも共通するテーマなのだと感じました。
私自身、中学生の頃から少しずつ試行錯誤しながら、長期の計画の立て方(マクロ)と、日々の回し方(ミクロ)を積み上げてきました。
「意志力に頼らず、仕組みで回す」という考え方は、受験だけでなく資格勉強や仕事にも応用できるものだと思っています。実際に私自身、受験が終わってからも、クイズ番組の対策や、ワインの資格勉強、英語資格(TOEFL)やフランス語資格、医師国家試験の勉強のベースとしてこの方法を活用してきました。
SNSだとどうしてもアドバイスが断片的になってしまうので、考え方の順番や、つまずきやすいポイントへの対処法まで含めて、体系立てて一冊にまとめたいと思いました。この本が、読んでくださる方それぞれの目標に向かう道のりを少し軽くして、「最少努力最大効果」を狙える状態をつくる一助になればうれしいです。
――SNSでの要望がきっかけだったんですね?河野さんというと、YouTubeなどでも徹底した自己管理が話題になっていますが、幼いころから“自己管理”が得意だったのですか?
【河野】私自身、もともと気分にムラがあり、継続が苦手なタイプでした。小学生から中学1年生の途中までは、2週間に一度くらい突然スイッチが入って集中的に勉強するものの、いつの間にか違うことを始めてしまい、気づけばまた遊び呆けている、ということを繰り返していました。当然、成績も悪く、「自分は意志が弱い人間なんだ」と自信を失っていた時期もあります。
――えっ、意外ですね?それがどういうきっかけでできるようになっていったんですか?
【河野】毎日、1日の勉強ぶりを振り返って、「うまく集中できなかった原因」を探って、一つずつ潰していくと上手くいくようになってきたんです。
たとえば、「途中からスマホをいじり始めて勉強から離れてしまった」という1日があったとします。よくよく思い出してみると、「書けなかった漢字を調べようとしてスマホを開いたはずなのに、通知に気を取られてLINEを開いてしまった」みたいなのが原因だったりするんですよね。
原因がわかれば、「調べ物は出てくるたびに付せんにメモしておいて、そのタスクが終わってからまとめて調べる」とか、「調べるときはスマホではなくパソコンで」とか「勉強中にスマホを使う時は、タイマーをかけてから使う」とか、具体的な対策を考えて試すことができます。
――「結果には原因がある」からその対策をするようになったんですね。
【河野】これを繰り返すうちに、「勉強を実行する自分」のほかに、「監督として、自分の勉強計画を管理する自分」の目線が持てるようになると、勉強を効率的に進む「勝ちパターン」が見えてくるんです。「目の前のタスクに向き合う自分」と「環境を整備するマネージャーの自分」との対話を通じて、最高の「仕組み」が整えられていきます。
このスタイルに切り替えてから、成績は一気に安定し、少しずつ伸び始めました。自分の意志の強さではなく、自分で変えられる「仕組み」に向き合ったことで、自分を無為に責める癖も無くなりました。
毎日の努力量は派手ではありませんが、常に勉強の進捗を振り返る姿勢が身について、無理なく、効率的に勉強を進められるスタイルに最適化できたことが大きかったと思います。■フィルターを整備→「努力がちゃんと成果に変わる状態」を作りにいく
――「目次」を見てみると「パフォーマンス発揮のための環境整備術」といった章もあり、学生の“勉強”だけでなく、社会人の仕事にも生かせそうですね。
【河野】はい、まさに自身の体調も含めた「環境整備」はあらゆる世代の人に通じるテーマだと考えています。日々の仕事であれ資格の勉強であれ、何かに取り組む際には身体というフィルターを通して情報を受け取っています。フィルターがくもったり目詰まりを起こしたりしていると、入ってくる情報の解像度も判断のキレも悪くなってしまいます。環境整備とは、才能や努力を増やすことではなく、フィルターを澄ませる作業なのです。
本書では、日々の行動を少し工夫してフィルターを整備することで、ムダを減らし「努力がちゃんと成果に変わる状態」を作りにいきます。特に身体疲労の回復・集中力の維持に役立つ睡眠・食事の工夫を扱っている章は、今日から取り入れられる内容も多く、集中力や意思決定の質を底上げするので、忙しい社会人ほど効果を実感しやすいと思います。
――河野さんご自身は、“誘惑”が目の前にある時はどのように対応されていますか?
【河野】もちろん誘惑はたくさんあります。だからこそ私が意識しているのは、意志の強さではなく「楽しむための仕組み」です。私は毎日スケジュールを立てる時に「終わり」をはっきり決めています。タスク/勉強を終えたあとは完全に自由時間。仮にスケジュールを無視して遊んでしまったら、「終わり」が後ろ倒しになります。結果的にスケジュールに縛られる時間が伸びるのです。私はそれが一番もったいないと感じます。
それにスケジュールを終わらせる前に遊び始めてしまうと、「あれも残っているな」と頭のどこかで引っかかって、せっかくの時間を心から楽しめません。
私は、好きなことや趣味を全力で楽しみたいからこそ、できるだけ純度の高い状態で味わいたい。
そう考えると、誘惑は敵ではなく、早く終わらせるための原動力になります。そして日々のやるべき事を全て終えた時、まるで「宿題を終えたあとの夏休み」のような罪悪感の一切ない、爽快な自由時間がやってきます。毎日、解放感100%でやりたいことを楽しめるのが、この「自己管理術」の最大のメリットとも言えます。
■「やる気」をコントロールしたり頼ったりしようとするのをやめる事が最初のステップ
――物事は考え方次第ですね。管理がうまくいかない人もいると思うのですが、そういった人たちへどのようなアドバイスを送りますか?
【河野】一番大事なのは「仕組み化」だと思います。皆様のお悩みを聞いていて気づいたのは、私たちが想像以上に「モチベーション(やる気)」に頼ってしまっているという事です。そして、やる気が出ない日に思い通りに進まないと「自分はダメだ」と自分を責めてしまう方が本当に多い。
かつての私もそうでした。
ですが、そもそも「やる気をコントロールする」という事が不可能な事だと思います。「明日は晴れにするぞ!」とどれだけ強く願ったところで、雨は降る時は降るのです。やる気の波もおなじで「自然現象なんだ」と割り切り、コントロールしたり頼ったりしようとするのをやめる事が最初のステップだと思います。
その上で雨だろうが嵐だろうが、一定のスピードで前に進める自動車を用意してあげる。つまり、気分に左右されない仕組みを先に作る、という発想に切り替えます。本書ではその「仕組み」の作り方として、目標設定の方法、スケジュールの組み方、日々の回し方まで詳しく紹介しています。
まずは「毎日やる気を出す」ではなく、「やる気がなくても進む形を作る」ことから始めてみてください。
私自身、この「自動的に前に進める仕組み」は、大学以降もずっと役に立てています。勉強に限らず、仕事や研究など、目標に向かって淡々と積み重ねる場面で、今も私の土台になっているのです。
――最後に、本書のリリースを楽しみにしている、読者へメッセージをお願いします。
【河野】この本は、意志力に頼らずに毎日を回すための「仕組み」をまとめた本です。やる気がある日もない日も、同じ方向にコンスタントに進めるようになると、勉強も仕事もぐっと楽になります。読み終えた頃に、努力の成果が出やすくなるだけでなく、罪悪感のない自由時間が増えていたら嬉しいです。
楽しい時間を我慢して頑張り続けるか、将来のことはほったらかして遊び回るか、世間では「アリとキリギリス」みたいに二択でとらえられていることが多いですが、1日の中で「アリの時間」と「キリギリスの時間」を分けて、どちらも気持ちよく過ごせるようにする、そして目標はしっかりと達成する、そんなツールを手に入れてもらえたらと思っています。今日からできる工夫ばかりなので、ぜひ気軽に試してみてください。■プロフィール
こうの・ゆかり/2000年生まれ、兵庫県出身。21年~24年放送のTBS系『東大王』に出演し、“東大医学部の絶景クイーン”として、鶴崎修功らとともに同番組をけん引。24年9月に放送された同番組最終回では、収録日と大学のスケジュールが合わず、参加せずに見届け人として途中からひな壇に登場した。24年11月に「セント・フォースsprout」所属を発表。25年、東京大学医学部医学科卒業。医師国家試験合格。現在、スイス・ジュネーブ大学大学院に在籍中。国家試験やテレビ出演の一方で、J.S.A.ワインエキスパートも取得するなど徹底的な自己管理力がYouTubeなどで話題となっている。プライベートでは、25年3月に医療従事者との結婚を発表している。