Snow Man佐久間大介、“好き”が磨いたダンス技術「誰よりも上手いと思って踊っています」 初座長の指針は“調和”【インタビュー後編】
映画『スペシャルズ』で主演を務める佐久間大介撮影:上野留加 (C)ORICON NewS inc.
9人組グループ・Snow Manの佐久間大介が初の単独主演を務める映画『スペシャルズ』がきょう6日公開された。劇中でも華麗なダンスやアクロバットを披露している佐久間。その裏側には、苦手を受け入れ、自分の強みを信じてきたこれまでがあった。そして、初座長の現場で大切にした“調和”という考え方を語った。
本作は、年齢も性格もバラバラな“孤高のプロの殺し屋たち”が、裏社会のトップ・本条会のクセ者親分が必ず訪れるダンス大会での暗殺をもくろみ、チームを組んで大会の出場を目指す物語。経験ゼロ、協調性ゼロ、やる気もゼロなデコボコ即席チームが本気のダンスに挑むといった、先の読めないオリジナルならではのストーリーを展開する。
『ミッドナイトスワン』の内田英治原案・脚本・監督による完全オリジナル作品。佐久間と内田監督は『マッチング』以来の再タッグ。
共演には、椎名桔平、中本悠太(NCT)、青柳翔、小沢仁志らがそろった。
■骨折が転機に好きが磨いたダンスの原点
――今回ダンスがテーマの作品で、佐久間さん演じるダイヤは、幼少期モダンバレエを習っていて、強烈な体験をしていますが、佐久間さん自身がダンスを始めた頃の忘れられない思い出はありますか?
佐久間:僕は小学2年生からダンスをやっていて、3年生のときに骨折して一時的にダンスができなくなったことがあるんです。そのときにやめようかなと思って…。習いごとって基本辞めたくなるじゃないですか(笑)。楽しいけどなんかイヤだなみたいな。踊っちゃえば楽しかったんだけど。…みたいなときにダンスの発表会を見学して、めちゃくちゃ楽しそうで、初めて親に自分から「これ出たい」って言ったらしいんです。それがすごい印象に残っていると親に言われました。
今思えば、自分の中でもそれが転機だったんじゃないかなと思いますね。
ダンスは元々好きだなと思っていたので、上手だったんです。僕の年齢でダンスの上級クラスにいる子ってあんまりいなかったんですけど、すぐにそこに入りました。よりダンスが好きになって、より意欲が出たことで上達したんだろうと思います。ダンスってやっぱり好きにならないと上手くならないんです。僕、自分のダンスがすごい好きなので、踊ってるときは基本的に誰よりも上手いと思って踊っています。
――劇中でのバク宙がとても美しかったです。
佐久間:あれも、技を入れるとなったときに、せっかくならここは得意だったものをやろうかなと思って。
最近なかなかアクロバットをやる機会もなかったので、入れたいなと思ったんです。
――滞空時間がとても長く見えますが、コツがあるんですか?
佐久間:なんでしょうね(笑)。あれは抱え込む技じゃなくて、“スワン”という技なんです(“スワン”は体をまっすぐに伸ばし膝を曲げずに後ろに一回転する技)。昔からやっていて、得意だったんです。たぶん自分に合ったやり方なんだと思います。「どっちがいいですか?」とは聞いたんですよ。
■悔しさも受け入れるという選択緻密に計算された表現
――佐久間さんがダンスが好きで、楽しいと思っているのが伝わってきました。一方で時に落ち込んでしまったり、他の人を見て悔しいなと思ったりするときは、どうやって気持ちを立て直していますか。
佐久間:ダンスで悔しいことか…。
(しばし思案)
何かミスしたときは悔しいですよね。「あ、振り付け飛んだな」とか、「位置、どこだっけ!?」って急になってしまうことはたまにあるんですよ。そういうときは悔しいなって思います。あと昔、ジュニアの頃に、ダンスはほとんど(のジャンルを)やったことがあるんですけど、タップダンスだけ習ったことがなくて、唯一タップダンスの選抜に残れなかったんです。大体のダンス選抜には残っていたんですけど、それでバレーボールのイベントや番組に出られなかったこともあって、あれは悔しかったですね。(ダップダンスが)なんかわかんねえな、みたいになって…。
――そういうときは悔しさをバネに練習しようという気持ちになるのか、それともしばらく落ち込むのか、どういうタイプですか?
佐久間:そのときは「自分にも苦手なものがあるんだな」と思って納得しました。
そこからタップダンスをやることも別になくて、機会があってやるときはもちろん練習するんだけど、得意じゃないこともあるから別にそこはいっかみたいな感じです。
――そこは切り替えて、自分得意なことをのばそうと思ったんですね。
佐久間:そうですね。「俺アレは上手いし、いっか!」みたいな(笑)。
――今回は過去にモダンバレエを実際にやっていたという役柄で、ご自身との共通点でもありますが、実際には佐久間さん自身はいろんなジャンルを経験されてきて、ダイヤとはまた違っていろんなダンスの質感が混ざりあっていると思います。今回モダンバレエ1本の役柄を演じるにあたって、質感を整えるために事前に準備したことはありますか?
佐久間:“下手に踊る”ってどうやってやるんだろうというのはすごく考えましたね。“やったことないから下手”というだけでも、いろんな“下手””がある。例えばダイヤの場合、モダンバレエはやっていたけどヒップホップはやってないから、「じゃあこのダウン(リズムを取って体を下げる動作)はわかんないよな」「でもダウンはきれいでいた方がいいんだよな」「でもここは手伸びているんだろうな」とか考えました。
さっき言った僕にとってのタップダンスみたいに、できないジャンルは本当にできなかったりするんですよ。でも(大枠でのダンスは)得意っぽいところは見せないとなと思って、リズムを取るとか、曲に慣れるみたいなことは早いんだろうなというのは意識しました。
――共演者の皆さんとの質感を合わせために意識されたことはありますか?
佐久間:劇中でみんなで踊る段階ではすでに練習を重ねて、仲も良くなって、「挑もう」という気持ちになっていて、ダンス自体には触れているので、振り付けを理解してしまえば上手くなるまでは早いと思うんです。みんなでいっぱい練習しているという時間経過があるので、そこからはそれを加味した上でちゃんと上手くやろうというのは意識しました。
■初座長の指針は“調和”一体感が説得力に
――今回単独での初主演ですが、そうそうたる共演者の中で、座長として意識したことはありますか?
佐久間:僕の中では土屋太鳳ちゃんが一番座長のイメージだったんです(映画『マッチング』で共演)。一番近くにいた座長で、でもって彼女は強くて、僕は彼女のことを「令和のジャンヌ・ダルク」と呼んでいるくらいちゃんと旗を振って「みんな行くよ」って先頭立って、みんながその背中を見てついていくっていうタイプの方だったので、それを参考にしようと思ったんです。でも自分はそのタイプじゃないというのはわかっていたので、じゃあ自分らしい座長ってなんだろうって考えたときに、“調和”かなと思いました。僕の場合、Snow Manでも調和を一番大事にしていて、「みんなで楽しかったらよくない?」みたいなことを一番に置いて「じゃあこれをやろう」みたいな提案をする。
だから“座長”ではあるんだけど、「みんな座長でよくない?」「みんな主役じゃん」という感覚で、みんなで楽しかったらいいかって。だから「みんなで座長をやってみよう」みたいな気持ちでいました。
撮影中は、差し入れをめっちゃ入れました。よくSnow ManのMV撮影のときに入ってもらう、めちゃくちゃおいしいケータリングさんを2件ぐらい入れさせてもらったりとか、夏の撮影だったので違うタイミングでアイスとか甘いもの入れてみたりとか。だから多分マネージャーが一番大変でした(笑)。「あれ探して買ってきてくんない?」みたいにお願いして、アイスだったりコーヒーだったり…。たくさんプロの方たちが関わっていて、いっぱいお世話になっちゃっているので、何か返したいなと思って、いっぱい差し入れしました。
――初共演となる俳優の皆さんとの出演となりましたが、印象的なエピソードはありますか。
佐久間:最初が一番印象的なんですけど、桔平さんも小沢さんも、みんな怖いじゃないですか(笑)。どうやって仲良くなろうかなって最初考えていたんですけど、小沢の兄貴がすごく気さくでフレンドリーな方で、「いや、踊れねえよ(笑)」みたいな感じでムードメーカーとしていろいろやってくださったんです。やっぱり桔平さんにツッコむとかは最初はできなかったんですよ。怒っちゃうかな?とか、わかんないじゃないですか。反応が怖いなと思って。でも小沢の兄貴が桔平さんをいじって、桔平さんもそれに返すというやり取りがあったので、「じゃあ、これも許してくれるんだ」と小沢の兄貴のおかげで探れました。
悠太くんは、最初からフレンドリーでほんとワンちゃんみたいな子なので、常にシッポを振って、すぐに小沢さんとか、翔くんとか、桔平さんにも「兄貴」と言って。クールなイメージだったんですけど、かっこいいというより、誰とでも仲良くなれる子犬みたいな子でした。
――まさに皆さんで作りあげたんですね。
佐久間:そうですね。おかげでみんなで仲良くなれました。
――交わることのなかった殺し屋たちが1つの目標に向かっていくという物語ですが、実際の撮影でも通ずる部分があったのでは?
佐久間:一体感が生まれますよね。何かに練習して取り組むことで作品にも一体感が生まれていたし、現実の自分たちも、役者の皆さんと最初にダンスから入ったのはすごい良かったなと思いました。芝居をやりつつも、ダンスのシーンの撮影では事前に練習しに行ったりとか、みんなで「こっちだっけ?」って確認しあったり。仲間意識がちゃんとできて、一丸となって撮影を迎えたからこそ、“スペシャルズ”に説得力が出たんじゃないかなと思います。