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鈴木亮平は「200%当て書き」 黒岩勉氏が明かす『リブート』誕生秘話とキャラ設定の裏側

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鈴木亮平は「200%当て書き」 黒岩勉氏が明かす『リブート』誕生秘話とキャラ設定の裏側

日曜劇場『リブート』の場面カット(C)TBS


俳優の鈴木亮平が主演を務める、TBS系日曜劇場『リブート』(毎週日曜後9:00)。本作で脚本を手掛けた黒岩勉さんは、日曜劇場では過去にも、『グランメゾン東京』(2019年)、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(2023年)を世に送り出し、いずれもヒット。完全オリジナル脚本となる本作は、構想3年をかけ作り上げた。本作で描きたかったテーマや、撮影現場での裏話、最終章に向けての見どころなど、脚本を手掛けた黒岩さんならではの視点で、本作の魅力を余すところなく語ってもらった。

■“リブート=なり代わり”を手段に描くのは「究極の夫婦愛」

――今作は完全オリジナル脚本、構想に3年を費やしたとのことですが、この物語の着想のきっかけをお教えください。

今回もご一緒しているプロデューサーの東仲恵吾さんと、『ラストマン-全盲の捜査官-』の時に、次のドラマの話をしていたところから、構想が始まりました。

『ラストマン』もそうだったのですが、日曜劇場では“家族愛”が必要なテーマの一つだと思っていて、『ラストマン』では“兄弟愛”を描きました。じゃあ次は…となった時に、東仲さんとお互いに「究極の夫婦愛」みたいなものを描きたいですねという話になりました。


とはいえ、「究極の夫婦愛」と言ってもいろいろ描き方があります。それを考えていて、僕の中でもともと、誰かが誰か別の人になる“なり代わり”というのにすごく興味があったので、目的は「夫婦愛」で、手段の一つとして「なり代わり」という構想が浮かびました。

――3年という長い期間の中で、どのように作品が出来上がっていったのでしょうか?

今回、“熱量の高い”作品にしたいなと思っていました。昔で言えば任侠映画のようなものを目指したいと考えたのですが、今の時代に置き換えると、よりリアリティがあるのは「裏社会」を描くことだと思いました。

そこで、2年ぐらいかけてリサーチをしました。その中で、マネーロンダリングの話や、トー横キッズ(新宿・歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺にたむろする若者たち)の話が出てきたりして、いろいろと肉付けされていった感じです。警察官が裏切っていたという実話もありました。マネーロンダリングの組織も実在していて、合六(亘/演:北村有起哉)の会社・ゴーシックスコーポレーションは、実際に立件された組織がモデルになっています。


ただ、いろいろな展開はあっても、全ては“夫婦愛”に行き着くための手段であって、「究極の夫婦愛」を描くためのものです。広く言えば“家族愛”の話でもあります。それぞれが家族のために信念を持って戦っている人たちの物語で、最初は悪に見えていても善に見えたり、善と悪が入り乱れて戦っている感じです。

でも、視聴者の方には、テーマとかはあまり気にせず面白く見ていただけたらいいなと思います。

■「200%当て書き」鈴木亮平だからできた“パティシエ”というキャラ設定

――主演の鈴木亮平さんとは『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』以来のタッグとなります。鈴木さん自身の印象をキャラクターに反映させた部分などはあるのでしょうか?

亮平さんに関しては今回200%、完全に当て書きです。まず脚本の全体構成やプロットをお渡しして、実際に演じてくださることになってから、キャラクターの設定なども決めていきました。

パティシエという設定にしたのも、亮平さんに決まってからですね。
もともとは役所の職員とか、どちらかというと中庸な設定も考えていたのですが、キャスティングが決まってから「亮平さんだったらどういう設定にしようかな」となって、完全に当て書きで、パティシエになりました。

――鈴木さんのどのようなところが、パティシエという設定につながったのでしょうか?

もともと、亮平さんが甘いものが好きとおっしゃっていたのもあったのですが、亮平さんを見ていて、何となく“動きがある”方がいいなと思ったんです。

事務職のようなキャラクターよりも、亮平さんだったら器用だし、すごく練習もしてくださるだろうなと思ったので、じゃあどういう職業がいいかなと考えた時に、パティシエが浮かびました。今回ものすごくハードな、厳しい世界をずっと描いていくので、一つだけ、ホッとする瞬間や優しくなれる瞬間のような象徴として、スイーツとか甘いものが対極にあるといいな、と。

■「素晴らしかった」――戸田恵梨香への信頼、永瀬廉への期待

――幸後一香役の戸田恵梨香さんについては、どのような印象をお持ちですか?
亮平さんも戸田さんも、今回一人二役を演じられていて、複雑な役で難しかったと思います。第8話でもお分かりいただけたと思うのですが、一香はずっと嘘をついて二面性を隠しながら、途中で“夏海を殺した犯人だ”と思っていたら、今度は“夏海だったんだ”となったり。

とてもハードルが高いと思いますし、ともすればキテレツな設定なんですけど、それにリアリティを持たせてちゃんと感情移入ができる人を演じていただけるんじゃないかな、という信頼は、最初からすごくありましたね。亮平さんに対してもそうです。


結果、素晴らしいですからね。本当に、第8話の演技を見ていて、びっくりしました。でも、第9話・第10話はさらに圧巻ですので、楽しみにしていただきたいです。

――冬橋航役の永瀬廉さんについては、いかがですか?

冬橋は、僕は好きなキャラクターです。もちろん、全部好きなキャラクターなのですが、今回リサーチしていて、トー横キッズなどについても知っていく中で、家出している少年少女や、闇バイトに絡む若者たちについても描きたいなと思ったんです。

冬橋は子どもを支援するNPO法人の職員なのですが、すごく影があるキャラクターなんですよね。永瀬さんはもちろんキラキラしているのですが、何となく、ちょっと影のある感じの役を演じていただけたら面白いんじゃないかな、というのがありました。

あとは“すごく悪い人”というのもいいな、と。
冬橋はいろいろな一面を持っている人で、前半は暴力的でちょっと怖いイメージがあったと思うのですが、そういう役柄はあまり永瀬さんはやったことないような気がして、面白いんじゃないかなと思いましたね。

あとは、アクションシーンもしていただけたら面白いなと思っていたのですが、結果、やはり素晴らしかったですね。この後、見ていただければ分かると思います。

■撮影現場でも執筆した最終章「ここから本当の『リブート』が始まります」

――撮影現場での皆さんの様子はいかがでしたか?

今回、現場には結構行きました。脚本を書いている途中にも行きましたね。

「どんなお芝居になるんだろう」とも思いましたし、早瀬がリブートした後、どのくらいのテンションで、どのくらいのコミカルさを出してどのくらいシリアスなのか、なり代わりがバレるかバレないかをどのくらいのラインでギリギリで保つのか、分からないので一度撮影が始まってすぐに見に行ったんです。一香が、どれくらい隠した表現をするんだろうか、というのにも興味があったので、今回はわりと書いている途中で撮影を見に行って、そこから最終回も固めていきました。

――撮影現場で何か印象に残っているエピソードはありますか?

序盤の方で儀堂になり代わった早瀬が、海江田(勇/演:酒向芳)の「クリアランス法律事務所」に乗り込んで、「警察です」と手帳を見せるシーンがあったのですが、その時の「警察です」が、微妙に、ちょっとだけ上ずっているんですよ。
緊張している感じで。

なるほど、この“リアリティライン”で来るんだ、というのがすごかったですね。もっとわかりやすくやる、という手もある中で、とてもリアリティがあって、これは本当に“大人のドラマ”になれるなと思って、感謝しましたね。

――最後に、第9話の見どころや、最終話にかけてのポイントも教えていただけたらと思います。

最終章に入って、『リブート』はここからが本当の夫婦の話です。一番描きたいと思っていた早瀬夫妻の戦いが、ここから始まります。

ずっと信頼できる仲間がいなかった早瀬が、一番信頼できる夏海が生きていたということで、二人がこの後どうしていくのか。夏海にしてみれば、夫を巻き込んでしまった、家族を巻き込んでしまったという負い目もある中で、この後どう自分の中で決着をつけるのか、そんな妻に対して陸がどういう決断を下すのか、というところも見てほしいですね。


そして合六の組織と、二人はどう対決するのか。ここからが新しい『リブート』なんですよね。「最後まで見て良かったな」と心から思えるものになっているということだけは、自信を持ってお約束できます。

最後の最後で、「人間はどんな状況からでもやり直しができる」という、『リブート』というタイトルに込めたテーマを感じていただけると思います。

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