『GIFT』堤真一、27年ぶり日曜劇場主演作で見せる“支える覚悟”「主役は車いすラグビー、僕はサポート」
日曜劇場『GIFT』の場面カット (C)TBS
俳優の堤真一が主演を務める、TBS系日曜劇場『GIFT』(毎週日曜 後9:00)が、12日にスタートする。本作は、車いすラグビーを舞台に、難問だらけの弱小チームと出会った孤独な天才宇宙物理学者が、チームの抱える多くの難問の答えを導き出しながら、本気で心と身体をぶつけ合うことで、仲間や家族の大切さを知っていくーー“愛と絆”のギフトの物語。
堤が演じる伍鉄文人は、車いすラグビーチーム「ブレイズブルズ」(以下、ブルズ)との出会いをきっかけに、自身の抱える難問とも向き合うことになる、天才“すぎる”頭脳を持つ宇宙物理学者だ。日曜劇場での主演は『ザ・ドクター』(1999年・TBS系)以来、約27年ぶりとなる堤に、本作に込めた思いを語ってもらった。
■「主役は車いすラグビー、僕はそのサポートを」
――最初に台本を読まれた時の感想を伺えますか?
台本を読んでまず思ったことは、この物語は“車いすラグビーが主役だ”ということです。
僕が演じる伍鉄文人という人物は当初、自らが授ける数式通りにチームが機能すれば、弱小チームでも絶対に勝てる、という考えの持ち主でしたが、車いすラグビーと深く関わっていく中で、数式だけでは答えが出ない現実があることに気づかされ、自分自身とも向き合うようになっていきます。
つまり伍鉄は(策を)与える側でもあるのですが、選手たちとの本気のぶつかり合いを通して、自分に最も欠けていたものは何だったのか、という“気づき”を与えてもらう人間でもあるんです。ですから伍鉄を演じる僕自身も、主演という立場ではありますが、今回はあくまで選手役の方々のサポート役、という思いで現場に立っています。
■伍鉄を演じる“変わっていく面白さ”
――孤独な天才“すぎる”宇宙物理学者という役柄については、どのような印象を持たれましたか?
自分の“頭の中だけ”で生きている人というか、全てを自分の脳内で完結させているので、人との接し方を知らない、必要としていないという印象を持ちました。
同僚が発表した研究内容をその場で「それはありえないです」と指摘したり、「その結論には絶対に至らないから無駄ですよ」と言い放っても、本人は悪意なく言っているので、それが人を傷つけていることにも気づかない。そんな人物なので、当然周りから孤立しますが、本人は全く気にする様子もなく、かなりの変わり者だと思いました。
――伍鉄を演じる上で特に意識されている部分、面白さはどんなところですか?
人との接し方や距離感というのは、かなり強く意識しています。先ほども少し触れましたが、伍鉄はこれまでの人生、誰とも深く関わらずに生きてきたので、人と接することが非常に苦手であることを前提に、言葉遣いは基本的には丁寧です。丁寧に話せば話すほど、距離感が生まれるイメージですね。
決して人間味がないわけではないのですが、そんな人物がブルズと深く関わっていく中で、その距離感がどんどん縮まり、彼らに影響されて伍鉄自身も変わっていく、というところに面白さも感じました。
■エース役・山田裕貴に感じる頼もしさ
――伍鉄が大きく変わるきっかけとなる、車いすラグビー選手役を演じる皆さんの印象はいかがでしょうか?
撮影に入る何か月も前から車いすラグビーの練習を始められていたので、撮影の時に(皆さんの動きを見て)本当に驚きました。
実際の選手同様に、演じるキャラクターによって障がいの程度も違うので、乗っているラグ車(競技専用の車いす)の車輪の押し方なども人それぞれ違うんです。
そうした細かいところを含めて本当に見事な動きを実際に目にして、指導してくださる方々も含め、皆さんの気概と並々ならぬ努力を感じました。
――ブルズのエース・宮下涼を演じる山田裕貴さんとは、映画「木の上の軍隊」(2025年)でも共演されていますが、改めて今回の撮影を通しての印象を伺えますか?
劇中同様にチームのリーダー的存在として、試合のシーンの時にも周りによく声をかけたり、チームを鼓舞するような言葉をアドリブで言ったりして、みんなのことをすごく引っ張ってくれています。
撮影の時だけではなく控え室にいる時にも、彼が中心になってみんなを盛り上げてくれているので、本当に頼りになりますし、たくましく思っています。
■車いすラグビーを“体感”「しっくりきた」瞬間
――本作の舞台となる車いすラグビーの世界について、撮影を通してご自身で感じられたことを教えてください。
第1話で伍鉄がラグ車に乗って、チームのエースである涼と対決するようなシーンがあるのですが、その撮影後にラグ車を降りて周りを見渡した瞬間、その場で一人だけ立っている自分に“違和感”のようなものを覚えたんです。それはなぜかと考えた時、車いすラグビーの世界では、障がいの“ある・ない”という感覚すら全く感じさせないというか。車いすラグビーは、実は非常に頭脳プレー的な側面が強くて。
ルールでも強い選手だけでメンバーを構成することはできないので、その中で年齢や性別、障がいの程度も関係なく本気でぶつかり合うんです。
その撮影の間のほんの短い時間でしたが、その世界を実際に経験してみて、とても良い刺激というか、この作品の車いすラグビーに対する考え方が、僕の中で何かしっくりきた瞬間でした。
――最後に、視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
このドラマは車いすラグビーを中心にして、そこに関わる親子や家族の関係性、人間の悲哀や愛情が描かれている作品です。
そして、障がいの“ある・ない”といった垣根がなくなり、“みんな同じで、みんな違う”ということを感じていただけると思います。ぜひ楽しんでご覧いただきたいです。