『時すでにおスシ!?』松山ケンイチの習得力に監修陣驚き「修正能力がすごい」
火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』より(C)TBS
俳優の永作博美が主演を務める、TBS系火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』(毎週火曜後10:00)。本作で監修・協力を務めるのが、「銀座おのでら」が運営する「GINZA ONODERA 鮨アカデミー」の川澄健先生と、「銀座おのでら」統括総料理長・坂上暁史親方だ。鮨アカデミーを舞台にした本作では、キャスト陣が実際に魚をさばき、鮨を握るシーンも数多く登場。監修陣は、俳優たちへの指導だけでなく、所作や道具の扱い方まで細かくチェックしながら、“リアルな鮨の世界”を作り上げていった。今回は、撮影現場で感じたキャスト陣の成長や、監修陣だからこそ知る“リアルな鮨アカデミー”作りの裏側について話を聞いた。
■「かなりリアルを求めている作品」監修陣が心がけた、ドラマならではの“教え方”
今回の監修について、坂上親方は「台本を読んだ時に、かなりリアルなものを求めているんだという印象がありました」と振り返る。
「鮨って“未知の世界”なところもあると思っていて。それをどういう形で、うまく伝えられるのかなというところは心がけました」
握り方についても、「普段のスタッフには教えないような教え方」をしたという。
一方、川澄先生も、「技術的には、鮨職人役の松山さんは短期間で上手にできなくてはいけない難しさがありました」と話す。
「永作さんは魚をさばくのが上手なのに、生徒役ということで逆に初心者っぽく見せないといけない。そこも難しかったですね」
また、セリフについても、職人ごとに表現や解釈が異なることもあり、「知り合いの職人に聞いたり、調べたりしてから伝えていました」と明かし、包丁や道具の置き方など、細かな部分についてもリクエストを出した。
実際に鮨アカデミーで行われている授業は、スタッフやキャストも見学。劇中でも、リアルな鮨アカデミーの空気感につながっている。
■松山ケンイチの習得力に驚き「修正能力がすごい」
監修陣が特に驚かされたのが、大江戸役を演じる松山ケンイチの習得力だった。
坂上親方は、「初めから所作や姿勢、指使いもきれいでした」と振り返る。
「こちらが伝えたポイントをしっかり押さえていて、修正能力がすごい。
しかもセリフを言いながらですからね」と称賛する。
第9話で大江戸が接客する回想シーンでは、坂上親方がリハーサル直前に提案した言い回しを、松山がそのまま本番で採用したこともあったそう。
「『こういうフレーズはどうですか?』と提案したら、松山さんが『いただきます』と言って、そのまま本番でそのフレーズを使われていて。対応能力の高さに感動させられました」
また、煮切り醤油を塗る所作について、「もうちょっとゆっくり艶やかにやるといいですよ」とアドバイスした際も、本番ではしっかり反映されていたという。
「2回目になると忘れてしまう方も多いのですが、松山さんはしっかり覚えているんですよね」と、その習得の早さに脱帽する。
そんな松山について、川澄先生は「最初の頃は、『あそこができない』『ここがうまくいかない』と悩んでいた時期もあったんです。ですが、坂上親方に習ってから、僕が見ないうちに堂々としてらっしゃって…」とほほ笑む。
坂上親方と松山の体格が近かったこともあり、途中からは川澄先生から坂上親方へと指導をバトンタッチ。
「目線も同じなので、包丁を持ってまな板の前に立つ時の姿勢など、自分とほぼ同じ景色でやれるんです」と坂上親方。そんな知られざる“引き継ぎ”も、松山のリアルな演技に生かされている。
■永作博美、佐野史郎らも自宅で練習「皆さん器用」
永作をはじめとする生徒役のキャスト陣の上達ぶりにも驚かされたという。
坂上親方は、永作について「調理師免許も持っていらっしゃるので、イカそうめんを作るシーンでは、難なく完成させていて、そのくらい手つきが慣れていらっしゃるなと思いました」と、舌を巻く。
川澄先生も、「魚をさばくことも上手だし、包丁を研ぐのも上手。1回で握りもできて、すごくうまかった」と絶賛。その上で、「生徒役なので、できない感じにするのは逆に難しかったんじゃないかな」と、料理上手ならではの思わぬ“難題”もあった。
また、立石船男役の佐野史郎については、「最初はシャリが手にベタベタついてしまって、『ダメだ、無理無理』みたいな感じだった」(坂上親方)と当初の様子を明かすが、放送を見ての通り、その上達ぶりは明らかだ。
坂上親方は森蒼斗役の山時聡真についても、「『どうやったらもうちょっと良くなりますかね?』と、より深いところを聞いてきてくれるんです。その積極性がすごい」と語り、セザール役のJuaについては、「器用なんですよ」と笑顔を見せる。
キャスト陣は、自宅でも練習を重ねていたそうで、川澄先生は「皆さん、セリフを覚えるように技術も覚えている感じがします」と、俳優ならではの吸収力に目を細める。
「生徒さんは技術から入るのですが、俳優さんは“どう見られているか”から入るんです。まず形を決めて、そこから回数で技術を身につけていく感じ。姿勢だったり、アングルだったり、そういうところを意識されているのが印象的でした」と、そのプロセスの違いを分析する。
回を重ねるごとに、キャスト陣は自然と握れるようになっていったという。「手の洗い方や、手酢のつけ方のコツが自然と身についたんだなと思いました」(坂上親方)と、撮影現場でもキャスト陣の成長を実感しているようだ。
■「そのまま使いたい」監修陣も思わずうなった鮨アカデミーのセット
監修陣が驚いたのは、そんなキャスト陣の努力だけではない。
鮨アカデミーのセットについて、坂上親方は「完璧すぎるんじゃないですか。あのままの設備を使いたいくらい素晴らしいです」と目を見張る。
川澄先生も、「想像以上に素晴らしい教室で、道具もたくさんありびっくりしました。内装も道具もよく作られていて、うちでも使いたいくらいです(笑)」と、そのすごさゆえのジョークも飛び出す。
さらに、劇中のイカのシーンについて、川澄先生は「実際に自分でも顔にイカ墨を塗って、どのくらい黒くなるか試しました」と裏話も披露。「感慨深い回でした…」と笑う。
放送については、「テンポが良くて面白い」と話しつつ、「皆さんの演技力がすごい。
いつも2回見返すほど飽きない」と、イチ視聴者としてもすっかりファンに。その作品への思いや愛は深い。