二宮和也、劇場での感動熱弁「客席のリアクションを肌で感じられる」 “映画愛”語り尽くす
「シークレットシネマ」特別鼎談した(左から)松岡宏泰氏、二宮和也氏、佐々木伸一氏(C)「映画館に行こう!」実行委員会
タレントで俳優の二宮和也がアンバサダーを務める、『シークレットシネマ』(25日開催)の特別鼎談(ていだん)が公開された。
同企画は、当日まで映画のタイトルを伏せて上映する一日限定の特別イベント。映画を愛するアンバサダーが選んだ「人生で一度は映画館で観てほしい一本」が上映される。指先ひとつで情報が入る時代に、あえて作品を知らずに劇場へ行く「偶然の出会い」を通して、特別なワクワク感を提案。何が上映されるかは幕が上がるまでのお楽しみ。ネタバレや先入観、評価も一切ない真っさらな状態で、一生忘れられない映画体験を味わえるイベントだ。
今回公開されたのは、二宮と、実行委員会の松岡宏泰氏(東宝 代表取締役社長 社長執行役員/映画館に行こう実行委員会 代表理事)、佐々木伸一氏(全国興行生活衛生同業組合連合会 会長代理/映画館に行こう実行委員会 事務局長)ら、映画業界のキーパーソンによる貴重な特別鼎談。3人が映画館の魅力を本音で語り合う。
佐々木氏は本企画について「配給会社も映画館の人も一緒になって、映画業界若手戦略会議のチームから提案いただいたのが今回の『シークレットシネマ』です。最初から(企画を立案した)チームのみんなも我々も『二宮さんにやってもらいたい、二宮さん以外だったらやめよう!』というくらいの強い熱意がありました」と、次世代の若き映画人たちの純粋な熱意がきっかけでアンバサダーが決定したという。実際に二宮は業界で活躍する若手メンバーたちの“映画館の魅力をより広げていきたい”という熱意に共鳴し、二つ返事で快諾。
松岡氏も「今はSNSの時代で最初から情報をすべて分かった上で映画を選ぶのが当たり前になっていますが、そうではなく“その人を信頼して、どんな映画か分からないけど観てみる”という仕組みがすごく面白い。映画を大好きな方が選ぶこと自体が魅力的な試みですし、結果として素晴らしい方にアンバサダーをお願いすることができました。意外性があったり、観る人によっては“自分とは少し違うな”と感じることもあるかもしれないけれど、それも含めて映画の面白さですよね」と本企画の画期的なアプローチに自信を覗かせる。イベントを楽しみにする観客の中でも話題となっているのが、やはり上映作品。選定を託された二宮は「アンバサダー就任を快諾したものの、『映画を選んでほしい』と言われると、やっぱりプレッシャーでした。
頭の中や趣味嗜好を覗き見られるわけですから。でも、万人受けというよりは“この人が面白いと思っているのはこういうものなんだ”という部分も含めて楽しんでもらえたらと思い、だったらちょっと自分の好みに偏っていこうと思いました(笑)」と作品選定の裏話を告白。上映作品を通して二宮和也という人のキャラクターが新たに垣間見えるのも同企画ならではの魅力だ。
さらに「不特定多数の人が1つの箱に収まって何が上映されるか分からないものを一緒に観るって、結構“実験”に近いじゃないですか。だからこそただ良い話というだけでなく、映画館でみんなで没入して、同じ時間軸で体験できるものがいいなと。僕自身がそういう映画が好きなので、それがベストだなと思って選びました」と、劇場体験を意識した選定理由を明かした。
さらに話題は、それぞれの映画人生の原点や映画体験の話へと広がっていく。松岡氏は、自身が映画ビジネスを志す一番のキッカケとなった、1982年の映画『E.T.』公開当時の熱狂的な思い出を回顧。
佐々木氏は「昔は映画の2本立て上映などもあって、お目当てではない『全然知らない映画』と偶然出会う楽しさがありましたよね。現代は何でも情報が溢れていて、どうしても自分が『分かっている安心なもの』しか観ない思考になりがちですが、本当は何も知らない真っ新な状態から観られることこそが、1番ハッピーなはずなんです」と、あえて情報を伏せる本企画の意義を強調。続けて「実はお恥ずかしい話、最近『プロジェクト・ヘイル・メアリー』という作品を、予告編すら見ずに、ただ『面白いよ』という息子の言葉を信じて観に行ったんです。そしたら、ものすごく楽しくて(笑)」という微笑ましいエピソードも披露。これには2人も「息子さんを信じて良かったですね」と笑顔で共鳴し、信頼する誰かの「おすすめ」を頼りに未知の映画と出会うことの贅沢さを3人で分かち合った。
自身もいち観客としてこよなく映画を愛し“映画館を盛り上げたい”ただならぬ意志で今回の企画に集った3人。松岡氏は「映画館は、全員が外界から遮断された不自由な中で観るからこそ『非日常』を体験できる。いつもと違った空間で一緒に作品を観る時に、グッと盛り上がったり、息を呑むような瞬間が生まれる。
それは絶対に1人ではできないことです」と劇場の価値を話す。
対して二宮も深く共感し「映画館って、これまでに1回も一緒にご飯を食べたこともない、喋ったこともないような全然知らない人たちが隣同士に座っているのに、笑ったり泣いたりする場所やタイミングは一緒なんですよね。普通に生きていく中での経験としては、なかなかそんなことって他にないと思います」と熱弁。「会社の社長だろうと平社員だろうと、無職だろうと関係なく、笑うときは笑うし、泣くときは泣く。こんな不特定多数で集まって一緒に観て、『ここでみんな泣くんだな』とか『ここは笑われているな』という客席のリアクションを肌で感じられるのは、本当に不思議で素晴らしいことです。作り手の立場からしても、客席の生の反応にはものすごく感動します」と、映画を届ける側としての視点も交えながら、劇場の客席に満ちる生々しい熱量への感動を語った。
作り手として、そしていち観客として映画館に魅了されてきた業界のキーパーソンが純粋な“映画愛”で共鳴し合った今回の鼎談。全員が持つ大きな“映画愛”こそが、この前代未聞のサプライズイベントを現実のものへと動かした原動力となった。
これまで数々の作品に出演し、国内外問わず名だたる俳優や監督と共演してきた二宮が、本気で選んだ推し映画は一体何なのか。