【旅を深めるミニ講座】知れば知るほどハマる、ガムラン&影絵芝居のディープな魅力 〜後編〜
幻想的な音を奏でる青銅打楽器・ガムランの響きと光で浮かび上がるシルエットが魅惑的な世界観をもつ、インドネシアの伝統芸能ワヤン・クリ。単なるパフォーマンスや音楽という枠におさまらず、人と「場」の関係を感じるうえで、独特のパワーを放つこの空間は興味深い。そこで、今回の「旅を深めるミニ講座」では、ガムランを中心とした音楽活動を始め、影絵、イラストなど多方面に活躍する川村亘平斎さんにインタビュー。バリ島での経験をたっぷり語ってくれた前編に続き、そのディープな魅力に迫ります。
前編はこちら!
——元々は音楽家を目指して、バリ島でガムラン修行をしたとのことでしたが、影絵芝居はどんなきっかけで始めたのですか?
「修行時代に一週間だけ、現地でワヤンを題材にした古典絵画のキャラクターの描き方を学んだのですが、絵を習ったのはこの一回だけです。それから帰国して芝居の音楽を手がけるようになったのですが、その時の演出家に『絵も描けるなら、影絵も作って』と言われ、嫌々始めました(笑)。音楽をやりたいという意地があったので、自分としては不本意だったのですが、しがらみのない環境で影絵作品を作る機会が徐々に増えて、意外と相性が良いことに気づいたんですよね。