北部ではネムザン(Nem rán)、南部ではチャーヨー(Chả giò)と呼び方が異なれば形も異なる。主な材料は豚ひき肉、キクラゲ、春雨などとほぼ同じだが、北部のものは大きめでハサミで切って提供される。南部のものは親指大の小さめサイズが特徴だ。揚げ春巻きをブン(米麺)や野菜と一緒に甘酸っぱいタレで食べる方法は、北部でも南部でもポピュラー。
〇北部
ハイフォン風揚げ春巻き(ネムブオンクアベー、Nem vuông cua bể)
北部の港町・ハイフォン名物の大きな正方形の揚げ春巻き。パリパリの皮の中にカニの身、エビなどがたっぷりと入っている。
〇北部
魚入り揚げ春巻き(チャーヨー・カーラン、Chả giò cá lăng)
カーラン(Cá lăng)はナマズ目ギギ科の淡水魚で、主に北部で食べられている魚。北部の名物料理・チャーカー(魚とディルの油鍋)にも使われる。
〇中部
黒ゴマ入り揚げ春巻き(チャーヨー・バンチャンメー、Chả giò bánh tráng mè)
黒ゴマ入りの厚手のライスペーパーでエビのすり身と小エビを巻いたフエ名物の揚げ春巻き。カリカリに揚がった皮は香ばしく、まるで日本のおせんべいのような味わい。