近年、東南アジアのアートシーンの拠点となりつつあるシンガポールでは、2015年に2つの美術館が誕生する。
パリを代表する美術館の初の分館として、2015年5月に開館した「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」と、10月にオープン予定の「ナショナルギャラリー シンガポール」だ。
©Darren Soh and National Gallery Singapore
「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」の見どころは
「ピナコテーク・ド・パリ」は、2007年にパリのマドレーヌ広場に開館した私立美術館。
美術館としての歴史はまだ浅いものの、立地と敷地面積の広さ、展示作品のバラエティと質の高さに定評がある、フランスを代表する美術館の一つである。
ギリシア語に由来する「絵の収蔵庫」という意味を持つ「ピナコテーク」。その言葉通り、美術収集家のコレクションルームを思わせるような、年代や作風にとらわれない多様なコレクションを特徴とする。
この「ピナコテーク・ド・パリ」の初めての分館に、シンガポールの「フォートカンニングパーク」が選ばれた。実はこの美術館、かつてイギリス軍施設であった「フォートカンニングセンター」