アジアの街をゆく 〜カンボジア カンポット&ケップ 後編〜
カンポットの市場。狭い通路いっぱいに商品が並べられている
ケップからカンポットに戻り夕方の街に出た。カンポットの中心街は100年以上の歴史を持つ古い町で、フランス植民地時代の面影を残す建築物も少なくない。コンポンバーイ川の東側を川に沿ってそぞろ歩く。太陽が対岸の山の奥に沈もうとしていた。川沿いのベンチは市民の憩いの場となっているようで、楽しそうに語らう恋人たち、キャッキャッと黄色い声を上げながらはしゃぐ高校生たち、ゆっくりとあるく年配の人たち。その何事もない平和な風景を見ていると「カンボジアも平和になったな」と思った。すっかりと闇に包まれた街にはバイクの走行音が響く。
橋を渡り川の西側に向かった。賑わっている東側と比べると明かりもほとんど無く、川沿いに数件レストランがある程度だった。比較的賑わっているレストランに入ったのだが、ローカル向けのレストランで英語がほとんど通じなかった。席に着くなりビアガールがやって来た。ビアガールとはビールの販促をする女性のことだ。ビール会社から派遣され、カンボジアのローカルのレストランには多く見られる。自分が売った本数に対してコミッションがもらえるらしく、注意しないと次々にビールの栓を開けてしまうのだ。