愛あるセレクトをしたいママのみかた

タイは雨季突入!雨の日に聴きたいタイポップ3選

TRIPPING!
タイは一年で一番暑い「暑季」が終わって、長い「雨季」に突入しました。雨や曇りの日が多くなるため、暑さもだいぶやわらいで過ごしやすくなります。

その反面、いったん雨が降ってしまうとバケツをひっくり返したような土砂降りになって道路が冠水してしまったり、皆がこぞってタクシーを利用するため空車が捕まらなくなるなど、外出に不便になるのもこの季節の特徴。今日はそんな雨の日に似合うタイポップを紹介します。

雨の向こうのあなたはどうしているの?
■ アーティスト名:Lazy Sunday 2 feat. プレーオ・カニッタクン
■ 曲名:キットゥン・ナ(恋しいよ)

タイは雨季突入!雨の日に聴きたいタイポップ3選


気だるい日曜日に部屋の中で聴きたいポップスを集めたコンピレーション・アルバム「Lazy Sunday」の第2弾に収録されている曲。ちょっとレトロさを感じさせるボールルーム・ミュージックでMV内でもおじいちゃんたちのバックバンドが可愛らしいです。

曲の意味は、恋人と離れている日に雨が降ってきた時の気持ちを歌ったもので、

「雨が振ると人恋しくなる雨と一緒に寂しさがやって来る
あなたは今どこにいてどうしているの?
早く帰ってきてあなたを心配している私がいるってこと忘れないでね」

といった感じの歌詞になっています。

※日本語訳はこちらにあります。


これを歌っているプレーオ・カニッタクンは13歳の時にちびっ子アイドルグループ「X3 Super Gang」の一員としてデビュー、その後ソロ歌手、女優、ラジオDJなどで幅広く活躍しています。

これは2011年の曲なのですが、今大人気のネットアイドル・Mookie(ムッキー)が出演したカバー動画が今年5月に公開されて、再び話題になりました。

タイでも「雨降って地固まる」らしい?
■ アーティスト名:Kidnappers
■ 曲名:フォン(雨)

個人的にイチ押しな雨の曲。このThe Kidnappersは、1993年から2004年頃まで活躍していたエレクトロ・ポップグループです。キーボードやシンセサイザーを使ったり、打ち込みを多用したりといった音楽をやるアーティストは90年代前半では非常に珍しく、当時最も先進的な音作りをやっていたアーティストの一組といっていいと思います。彼らは、音楽の雰囲気は違うものの、立ち位置的には日本で言ったらm-floみたいな感じのユニットで、自分たちの音楽もやりつつも、いろんなタイプのアーティストと組んで楽曲を提供しています。

今回紹介した「フォン」は「恋人とのケンカ」を「雨」にたとえた歌。

「毎日もし雨が降ったらそれは私の日
毎日雨が降るとあなたは心配そうになる
2人で会って雨が降ってもまだ仲がいい
付き合ってもし雨がないならきっと幸せ
もし変化が二人を離れ離れに引き裂いても愛情はなくならずにある」

これを意訳すると

「毎日ケンカするけど、それは私とまだ付き合っている証拠。
だからあなたは心配しないで。お互いに気持ちが通じてなかったらケンカもできないでしょう?会ってケンカしない日ももちろん幸せだし。もし色々と状況が変わって二人が離れるようなことになっても大丈夫。愛情はなくならないから」

といった感じですかね。
日本語で言うと「ケンカするほど仲がいい」「雨降って地固まる」でしょうか。

この曲は彼らが1993年に出した「サレーン(Sa-laang)」というアルバムに収録されているのですが、これが名盤中の名盤といっても過言ではない1枚で、2003年にCDで、2015年にアナログ・レコード盤で2回復刻されています。タイではよほど人気がないとアルバムが復刻されることはないので、タイの音楽ファンの中でも非常に評価が高い1枚と言えるでしょう。

Kidnappersは10年以上活動を休止していたのですが、今年に入ってから活動を再開。
新曲を2曲出したり、ライブをやったりと30代以上のタイ音楽ファンを喜ばせてくれています。

タイは雨季突入!雨の日に聴きたいタイポップ3選


タイポップス創世記の名曲
■ アーティスト名:レーワット・プッティナン
■ 曲名:ジャオサーオ・クルア・フォン(雨を恐れる花嫁)

「ジャオサーオ・クルア・フォン」というのは「雨を恐れる花嫁」という意味です。

なんで恐れているかというと、この場合の雨は恋愛そのものにたとえられていて、雨に当たっている時は潤って涼しい気持ちになるけれど(暑いタイでは、水や霧、風のように体を涼しくするものは、とてもいいことの比喩にもよく使われます)、同時に体はずぶ濡れ、みすぼらしい感じになってしまうわけです。そうなるのが怖い、と、恋に踏み込めない女性に「そんな風に悪いようにばかり考えちゃダメだよ、空が晴れて雨が上がれば濡れた体も必ず乾くじゃない。雨に立ち向かう方法を探そうよ」と諭しているような歌です。

この曲を歌っているレーワットは70~80年代、つまりタイポップ創世記に活躍した歌手です。彼はもう亡くなってしまったのですが、現在タイの最大手レコード会社・GMMグラミーを設立した人です。80年代以降のタイポップスを生んだ立役者の一人という、タイ音楽史的にも重要な偉大な人ですね。


彼は豊かな口ひげがトレード・マークなのですが、今でもCDショップに行くと口ひげの絵がジャケットに描かれたCDがよく売られています。
そんなわけで今回は雨の日に聴きたい3曲を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

雨季の時期にコンビニやCDショップに行くと、雨をテーマにした曲を集めたコンピレーション・アルバムやMP3が売られていたりするので、そこから好きな曲を探してみてもいいかもしれません。

(text : fuku)

タイエンタ!~音楽・映画でタイをもっと満喫~
その他の記事を読む>

提供元の記事

提供:

TRIPPING!

この記事のキーワード