世界トップクラスのサーファーと挑む!バリ島ウルワツの波
くらいのサイズの波であった。
ピークから一気にテイクオフ。
ボトムターンをしたところで、波が巻きあがり“チューブ”と呼ばれる水のトンネルを作る。
ボードの速度を合わせ、そのチューブに入る……
私が一番好きな波であり、心地のよいドキドキとした恐怖を感じ、そしてチェレンジングになる瞬間。
……が、その次の瞬間、私は洗濯機の中にいるような状況に陥った。
チューブの波を抜けられず、波に飲み込まれたのである。
そしてさらに不運なことに、ボードと自分をつなぐ命綱ともいえるリーシュコードが切れてしまった。
ボードはあっという間に流され、私自身も強いカレントに流されていく。
そのカレントといったらまるで川のような速さの流れなのである。
ウルワツの周囲は断崖絶壁で、流されたときには数十分以上の超ロングパドルを覚悟して洞窟に戻るか、500m以上離れたトーマスビーチまで泳ぎ上がるか、だ。
必死に泳ぐが、その努力もむなしく一気に流されていく。
急に大きな恐怖に襲われた。
初めて感じる“死”の恐怖。
そのときだ。
一人のライフガードが私を救出しに来てくれた。
私はライフガードのお陰で、無事に岸までたどり着くことができた。