避暑地の中をのんびり走る「ベトナム・ダラットの高原鉄道」
「ダラット」という街の名前は、まだ日本人にはあまり馴染みがないかもしれない。ベトナム中南部の高原地帯に位置する街で、フランス統治時代に貴族、軍人の避暑地として開発された。現在も街中には西洋風の建物が数多くあり、他のベトナムの街とは少し雰囲気の違うところである。このダラットの観光のひとつとして「ダラット高原鉄道」という鉄道がある。せっかくダラットに来たなら、この僅か7キロのミニ鉄道もぜひ訪問したい。
三角屋根が美しいダラット駅
ダラット高原鉄道の出発駅「ダラット駅」は三角屋根が3つ並んだ、まるでスイスにでもあるような駅で「ベトナムで最も美しい駅」といわれている。観光用のミニ鉄道にはふさわしくない造りであるが、もともとはベトナム鉄道ダラット支線の終着駅として使用されていたものである。
ダラット支線はハノイ、ホーチミンを結ぶ南北縦貫鉄道と接続しており、ベトナム戦争で運行が停止されるまでは、街の玄関口として機能していた駅である。前に突き出した2つの車寄せが、乗客で賑わっていた当時を想像させる。ステンドグラスを通して光が差し込み、駅舎の中をカラフルに彩っている。
ステンドグラスがきれいなダラット駅内部
ダラット駅発の観光列車は1日5本。