くらし情報『バンコク中央駅(ファランポーン駅)に残る日本の足跡』

バンコク中央駅(ファランポーン駅)に残る日本の足跡

実は、日本ではほとんど八幡製鉄所製のレールが使用されているため、わざわざ製造所を見分ける必要がなく「YAWATA」の文字は刻印されていない。「YAWATA」の文字があるのは外国向け輸出レールのみで、現在、この刻印が確認できるレールがあるのはタイと台湾だけである。日本の「レールマニア」にとっては大変の貴重なレールなのである。

バンコク中央駅(ファランポーン駅)に残る日本の足跡

アメリカ、カーネギー社製のレール 著者撮影

この八幡製作所製のレールがある周辺の柱には、様々な国の製鉄所の名前が入ったレールが多数存在しており、日本では見かけない刻印のレールが多い。ここを見るだけで、強国のパワーバランスを上手く使って独立を保ち続けたタイ国の歴史が分かる。もっとも、駅でブツブツ言いながら柱を見て回っているのは、かなり不審な日本人であるが。

(text & photo : 井上毅)

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