他の8カ国は批准している。
航空自由化が実現すると、自国から他のASEAN諸国のすべての都市に乗り入れが可能になる。現在、フィリピンはマニラ以外の都市、インドネシアはジャカルタのみに乗り入れを限定している。
©ASEAN-Japan Centre マニラマカティ地区
ASEAN域内での乗り入れ自由化が達成された先には、完全な単一航空市場を創設する計画がある。この計画が実現すると、域内他国から域外国に就航したり、域内他国間で路線を運航したりできるようになる。
完全な単一航空市場が実現すると、航空運賃の低価格化、サービス改善など旅行者への恩恵は大きい。
フィリピンとインドネシアが批准を見送った理由は、セキュリティ上の問題に加え、競争激化で自国航空会社が影響を受けるというもの。こうした問題への対処枠組みを作り、懸念を払拭するのが、批准の促進につながるはずだ。
日本人旅行者の東南アジア人気や、東南アジアからの訪日需要の高まりを考慮すると、単一航空市場の創出で日本ー東南アジア間の路線が一気に増えることも考えられる。そうなると東南アジアがより身近になり、旅行をする機会も増えることになるだろう。