タイシルク王「ジム・トンプソン」の暮らした美しい住居
写真提供:タイ国政府観光庁
タイのシルク王と呼ばれ、古美術の収集家としても有名であったアメリカ人、ジム・トンプソン。タイ文化を愛した彼の美しい住居が、現在はミュージアムとして公開されている。
タイシルク事業で成功を収めたジム・トンプソン氏
写真提供:タイ国政府観光庁
1906年アメリカ・デラウェア州に生まれたトンプソン。アートに興味を持ちながらも、ニューヨークで建築家としてのキャリアを重ねる。第二次世界大戦中に兵士としてタイに派遣された彼は終戦後も残り、タイシルクの事業化に貢献。そのクオリティは世界にも知れ渡り、タイで生活を送った20年あまりの間、華々しい成功を収めた。1967年、友人らとマレーシアを訪れ、ジャングルに足を踏み入れたまま行方がわからなくなっている。
写真提供:タイ国政府観光庁
多くのタイセレブたちが集ったバンコクの住居跡は、ほぼそのまま保存され、現在は博物館として一般公開されている。豊かな緑に囲まれた住宅は、もとは6棟のヴィラが集まり建てられたもので、チーク材を用いたタイの伝統的な建築様式が取り入れられた。
写真提供:タイ国政府観光庁
木々のぬくもりが感じられる家は、まるでトンプソンの人生を象徴するように“イースト・ミーツ・ウェスト”が体現され、木製の仏像やタイ各地の寺院から譲り受けた壁掛けがディスプレイされていると思えば、ベルギー製のシャンデリアが輝き、床にはイタリア製のタイルが施されている。