アジアの街をゆく~ラオス北部のウドムサイ~
夜行寝台バスはウドムサイの郊外にあるバスターミナルに到着した。ビエンチャンから16時間の長旅だった。
乾季のウドムサイは早朝は10℃以下まで気温が下がることもある。バスを降りると吐く息が白かった。街までは5kmほどあるのだが、時間が早いこともあり歩いて行くことにした。朝の冷え込みのせいか、朝靄の風景が美しい。こうした風景に出会えるのは気ままな旅の醍醐味だと思う。一時間ほど歩くと街に着いた。
中国語の看板が目立ち、中国ナンバーの車も多く見かける。中国は、マイカー旅行ブームだそうでこうやって隣国ラオスに旅行に来るのだろう。中国市場もあった。ウドムサイの物資はほぼ中国製が多いのだろう。
ゲストハウスに荷物を置き街に出た。ツーリストインフォメーションがあったので寄ってみると日本語で書かれた手書きのイラストマップがあった。青年海外協力隊で派遣されている日本人が作ったそうだ。その地図に載っていたカオソーイの美味しいお店に行ってみる。
カオソーイはタイ北部チェンマイの名物でココナッツミルクとカレー風味のスープの麺だが、ラオス北部(主にルアンパバーン)でも食べられている。ラオスのカオソーイは、タイのとは違い普通のスープで発酵味噌ペーストがトッピングされている。看板もない普通の食堂だが空腹のせいもありとても美味しく感じた。
夕方、ウドムサイ唯一の観光スポットでもある「プー・タート」に行った。小高い丘の上にお寺があり、ウドムサイの街が見下ろせ夕陽スポットとして有名らしい。ゲストハウスのすぐ前にあり10分ほど階段を登ると頂上についた。仏塔と仏像がありお寺があった。山に沈む夕陽なので水平線に沈む夕陽のようにダイナミックではないけど旅先で見る夕陽は心に残るものが多い。
翌朝、カオソーイを食べ、再びプータートに登りウドムサイの街を眺めた。観光地でもないけど見知らぬ街を訪れ、名もない食堂でローカルフードを食らい、あてもなく街を彷徨う。自分の中に旅の記憶として刻まれてゆく。そんな旅があってもいいと思う。
(text & photo : 中島貴義)
熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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