今、最注目したいミャンマーのガパリビーチ
東南アジアでこれから来そうな“アップカミング・ビーチ”といえば、ミャンマーのガパリビーチ。ここへ訪れたイタリア人が「ナポリのようだ」と賞賛したことから名付けられた、ベンガル湾に面したビーチです。
世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が発表した「トラベラーズチョイスアワード2016」でアジア・ナンバー1ビーチに選ばれたことも、その美しさを多くの旅行者が認めた証でしょう。
ヤンゴンから1時間弱でアクセスできるビーチリゾート
ガパリビーチの玄関口は、ヤンゴンから国内線で約50分のタンドウェ空港。
空港から南へ、舗装されたメインロードは時々ビーチに接しつつ、海岸線を沿うように約12キロ続いています。道を行くのは荷台をけん引するバイクタクシーやコブ牛を連れた農民など、そして道路沿いには背の高いヤシの木が縁取り、たまに土産物屋やレストランが数軒まとまって立っているくらい。どこか懐かしいアジアの風景が残されています。その一方で、ゴルフコースや優雅なアジアンリゾートなどもあり、地元の素朴な暮らしと快適なリゾートライフが背中合わせになったイメージ。
地元の人々の暮らしを感じるリゾート周辺エリア
リゾートから抜け出して、オートサイクルでメインロードを走れば、地元の暮らしを垣間見られます。
ビンロウ屋と知らずにカフェのような店に入ると、先客たちがなぜか、くすくす。一画を指差すので、行ってみると、女性が慣れた手つきでビンロウを巻いています。
葉っぱに石灰を塗り、砕いたビンロウとタバコの葉を置いて、くるくるくる。バイクを横付けにして買いに来るお客には、天井から吊るした輪っかに通して渡していました。
洗濯タライで串刺しの豚肉を煮込んでいる“ポーク”の屋台の輪に加わってみると、女学生が覚えたての英語なのか、自己紹介をしてくれたり。木陰で休んでいるサッカーチームの少年たちが手を振ってくれたり。小さな冒険がたくさんあります。
遊泳するなら南寄りのビーチへ
ちなみに、ビーチは南寄りのゴルフコースを超えたあたりからがおすすめ。
岩礁がない白砂のビーチで、波もなく、泳ぐのに向いています。リゾートホテルが多いのも、こちらのサイドです。空港近くのリゾートホテルを覗いてみたら、荒々しい岩場が眺望のアクセントになっているところも。
ガパリビーチからさらに南下したジェイド・タウ(Jade Taw)は、さらにローカル度がアップした漁村です。早朝のビーチは、夜に出船して漁から戻ってきた漁船で賑わっています。船から降ろした小魚を天秤棒で運んでいたり、天日干しにする小魚を並べていたり、せっせと働く大人たちの間を子供が駆け回って遊んでいたり。小腹を満たすのにちょうどいい小さな椀のヌードル屋台も現れます。
著者撮影
ジェイド・タウから戻る途中、道を右折して丘を登ると、湾を見守るように佇む巨大な仏像があります。高台から見下ろすと、ヤシ木々が縁取る湾にびっしりと漁船が並ぶ光景が。パノラミックビューが楽しめます。
この仏像は足元から中に入ることができ、壁面には、ガパリビーチも一部だったアラカン王国へ仏陀が訪れ、仏教を伝えた“マハムニ”の伝説が描かれています。ガパリビーチの人々は、ミャンマー人である前に、アラカン人だと自分のことを考えるのだそうです。
ビーチを見下ろすバルーン体験
ガパリビーチのアクティビティのうち、ユニークなのが、バルーン。世界三大仏教遺跡とされるバガンなどで展開している「オリエンタル・バルーミング」がここにも!夜明け前に出発し、朝もやが立ち込める丘の連なりやタンドウェの町、寝釈迦などを眼下に望み、風向きによっては海岸線まで向かうことも。
実は、ガパリビーチへの行き時は11~4月の乾季。5月からの雨季はフライトが激減し、リゾートホテルがクローズしてしまうそう。それほどオンオフの差が激しいビーチリゾートなのです。
取材協力:エクスペディア
https://www.expedia.co.jp/
(text : 古関 千恵子)
ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」