土佐が生んだ幕末の鬼才絵師「絵金」の作品24点を発見 高知県香南市の創造広場「アクトランド」にて初公開
創造広場「アクトランド」(所在地:高知県香南市、館長:小笠原 満)ではこの度、幕末土佐で活躍した絵師金蔵、通称:絵金の描いたものではないかと思われる未確認作品24点を発見しました。そして、鑑定の結果、この作品が絵金の真作と確認されたことをお知らせいたします。
新しく発見された絵金の作品
この発見された作品は、石川五右衛門が主人公の浄瑠璃で、後に歌舞伎化もされた「釜淵双級巴(注1)(かまがふちふたつどもえ)」を絵金が絵馬提灯(注2)として描いたものです。
絵金筆の絵馬提灯は現存数が少なく、今回の発見で4作品目となります。
これまで確認されていた絵金筆の絵馬提灯のなかで最多の連作となります。
24点の中には、芝居の台本にない絵金の創作による場面もあり、絵金独特の視点がうかがえる貴重な作品といえます。
(注1)釜淵双級巴・・・元文2(1737)年初演の人形浄瑠璃を描いたもので、歌舞伎好きはおなじみの盗賊・石川五右衛門が主人公。五右衛門がうけた刑にちなみ、釜風呂を「五右衛門風呂」というように、処刑場面がクライマックスです。
(注2)絵馬提灯・・・芝居絵屏風と同じく神社の夏祭りの夜に飾られたもので、箱型の木枠に和紙を貼り、中に入れたろうそくの光で鑑賞します。