岡本太郎記念館、色をテーマにしたはじめての展覧会 企画展「赤と黒」を3月18日より開催
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 岡本太郎記念館(所在地:東京都港区南青山6-1-19、館長:平野暁臣)は、企画展「赤と黒」を2022年3月18日から7月18日まで開催いたします。
《アドレッサン》《遊ぶ時間》
“赤”と“黒”。岡本絵画を象徴する色です。
「赤の中から生まれ、赤の中に生きているという感じがする」というほど幼い頃から“赤”が好きだった太郎は、戦後日本で活動を再開させるやセンセーショナルなデビューを果たしました。侘び寂びを尊ぶ“灰色の世界”にあえて強烈な原色をぶつけることで、日本の美術界を挑発したのです。
太郎が好んだのは「血を思わせる激しい赤」。この“血の赤”が、岡本絵画のアイデンティティを支える重要な要素になっていることは疑いありません。
いっぽう1960年代になると、太郎は積極的に“黒”を描きはじめます。
梵字にも似た黒の抽象的なモチーフが画面を支配する、暗く不気味な呪術的な世界です。
「己れを滅びに導く、というより死に直面させるような方向、黒い道を選ぶのだ」。
太郎にとって“黒”とは、たんなる色彩のバリエーションではなく、生き方を象徴するものだったのでしょう。