くらし情報『テラヘルツ波を用いたプラスチックの素材識別と熱劣化診断の可能性を検証し、識別装置を開発』

2022年4月1日 11:00

テラヘルツ波を用いたプラスチックの素材識別と熱劣化診断の可能性を検証し、識別装置を開発

ポリオレフィン系のPEとPPは、広帯域で透過率が大きいのに対して、PSは、2THzを超えるとほぼ透過しません。また、PEでは2.2THzに鋭い共鳴吸収ピークが見られ、PPには3.3THz付近に吸収ピークが観察されます。このような領域全体での吸収強度の違いや特徴的なピークの存在によりそれぞれの物質を識別することが可能となります。これは、テラヘルツ帯の誘電率(周波数分散)がプラスチックの素材で異なるためです。
また、テラヘルツ波による熱劣化診断の評価も行いました。本研究において、150℃で混錬させて作製したPEは赤外スペクトルにおけるC=Oのピーク強度変化から熱劣化によるカルボニル基が生成していることが分かり、2.2THz付近に観測される分子鎖間の並進振動に帰属される吸収ピークが熱処理により低周波数にピークがシフトしました。このことは、熱劣化の程度をテラヘルツのスペクトルから評価できることを示唆するものです。
さらに本取り組みでは芝浦工業大学が代表機関として、東北大学と静岡大学とともに、科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム・プロジェクト支援型(with / postコロナにおける社会変革への寄与が期待される研究開発課題への短期集中型)

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