くらし情報『ヨーロッパで伝統的にコナダニをチーズの熟成に用いる、3つの遠く離れたチーズ工房において、「蔵付き酵母」ならぬ「蔵付きダニ」は同種のチーズコナダニであることを発見』

2022年8月12日 12:00

ヨーロッパで伝統的にコナダニをチーズの熟成に用いる、3つの遠く離れたチーズ工房において、「蔵付き酵母」ならぬ「蔵付きダニ」は同種のチーズコナダニであることを発見

から直接ダニを採集し、形態情報と遺伝子解析によって調べたところ、チーズのダニはチーズコナダニTyrolichus casei(Oudemans,1910)という1種のみであった。学名のcaseiはチーズという意味である。

(2) チーズ工房のコナダニは代々その地域で育つ固有のダニ、「蔵付き酵母」ならぬ「蔵付きダニ」なのか?という疑問を解決すべく、チーズコナダニを、超並列DNAシークエンサーを用いて、各チーズ熟成庫の間のコナダニの遺伝構造を解析した。結果はそれぞれ500km以上、遠くはなれているチーズの産地間にもかかわらず、地理的な隔たりは遺伝子の解析結果からは見られなかった。

(3) 熟成にダニを用いるチーズには独特の風味があるといわれている。我々は、チーズコナダニから“レモン香”の1成分であるネラールをガスクロマトグラフ質量分析計で検出した。本物質はフェロモンや抗カビ効果としてダニが分泌している可能性がある。一方、訪れた熟成庫の3つのチーズのひとつ、アーティズー(チーズ)自身からダニ由来のネラールは検出されなかった。
このためダニがチーズへの直接的な風味付けに寄与していないようである。

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