すみだ北斎美術館、本に仕立てた「板本」に注目し魅力を伝える 企画展「北斎ブックワールド」を9/21から11/27まで開催
すみだ北斎美術館では2022年9月21日(水)から11月27日(日)まで企画展「北斎ブックワールド」を開催いたします。
企画展《北斎ブックワールド》
浮世絵と聞くと、「冨嶽三十六景」のような一枚の紙に摺られた木版画がイメージされます。もともとそうした一枚摺の木版画は、板木に文字や挿絵を彫って摺ったものを本に仕立てた「板本(はんぽん)」から、次第に絵のみが独立したともいわれます。
浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)は、板本にも絵を描いており、物語の挿絵であったり、自らの絵を集めた絵手本(えでほん)であったりと、たくさんの板本を出版しました。北斎絵手本の代表作として知られる『北斎漫画』には、江戸時代の板本を読む人々が描かれています。人々がくつろぎながら読みふけって楽しむ様子は現在と変わりません。本展では、このような板本に注目し、その魅力をお伝えします。
葛飾北斎『北斎漫画』八編 すみだ北斎美術館蔵(通期)
※摺られた本は版本とも表記しますが、北斎が活躍した江戸時代後期の本は、一枚の板を彫った板木を摺ってつくる本が主流であったため、本展では板本の表記を使用します。
■展示構成
序章 板本の中の板本をよむ人々/1章 板本の基礎知識/2章 板本に関するトピックス/3章 所蔵者・読者の痕跡/4章 板本の優品
■本展の見どころ
◎展示室にずらりと並ぶ板本、約110点!
北斎や門人によって挿絵が描かれた板本は、絵画表現が工夫されているため、内容に惹きこまれます。