くらし情報『アスパラガスの雌雄間差を日本の主要な3つの作型で比較雌株は雄株に比べて太いアスパラガスを収穫できることが判明』

2023年2月3日 14:00

アスパラガスの雌雄間差を日本の主要な3つの作型で比較雌株は雄株に比べて太いアスパラガスを収穫できることが判明

雌雄間差の栽培試験の実施前には、東北大学大学院の菅野准教授らが開発した新技術(DOI:http://doi.org/10.1007/s10681-013-1048-2)を用い、アスパラガスの幼苗のDNAをPCRで解析することにより雌雄判別を行いました。

その結果、露地長期どり栽培およびハウス半促成長期どり栽培の2つの長期作型において、1茎重および収量は雌株が雄株と同等か有意に高く、雌株の利用により単価の高い太いアスパラガスの収量が増える可能性が示唆されました。

一方、伏せ込み促成栽培では、1茎重および収量に雌雄間差が認められませんでした。雌雄間で休眠打破に必要な低温遭遇時間が異なること、栽培期間が短いことが原因であると考えます。そのため、伏せ込み促成栽培においても、性別ごとに低温遭遇時間を変えれば、雌株の利用により太い若茎が収穫できる可能性があります。

以上から、アスパラガスの栽培における雌株の利用は、生産者の収益向上につながる可能性があるものの、植物の雌雄判別にかかる時間や費用などが課題です。雌雄判別法の低コスト化は、現在、本研究開始時に比べて進んでおり、本研究成果は雌雄判別技術の進歩とともに生産現場に普及していくと考えます。

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