岡本太郎記念館、企画展「衝動の爪あと」を3月24日より開催 岡本太郎の創造のプロセスを追体験
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 岡本太郎記念館(所在地:東京都港区南青山6-1-19、館長:平野暁臣)は、企画展「衝動の爪あと」を2023年3月24日から7月9日まで開催いたします。
企画展「衝動の爪あと」
「描きたいと思ったときには出来てるの」。岡本敏子がよくそう言っていました。
エスキースを積み重ね、階段をのぼっていくように構想を固めていく一般的な作画プロセスとはまったく逆で、描きたいという衝動が湧きあがった段階で、岡本太郎の頭のなかにはほぼ完成形が立ちあがっているというのです。
逆にいえば、なんとなく描きたい、なんでもいいから描きたい、ということがない。じっさい太郎はこう記しています。
「“こういうもの”を表現したい、という最初の衝動がある。描きたいという衝動じゃない。
“こういうもの”を、である」「何べんも何べんも自分に問うてみる。“そういうもの”を確かめる」。
だから太郎は、何度も描きました。描きながら検討しているわけではなく、頭のなかにある完成形に手が追いつくまで、繰り返し描き、“再現精度”を高めていったのです。はたから見るとなにが違うのかわからない、同じような絵が何枚もあるのはそのためです。