提供:宮城教育大学 鈴木渉教授
例えば、”There are two girls.”という英文で、なぜisではなくareなのかを自分のことばを使って考えたり話したりしながら、自分の不確かな知識を再構築することはランゲージングです。
■ 英語習得に役立つランゲージングの可能性
鈴木教授によると、ランゲージングはこの15〜16年間で研究成果が世界各地で積み重なってきており、「理論的にも実証的にも第二言語習得を促進する可能性があります」とのこと。特に英語のライティングでは明示的知識が役立ちますが、教師や教科書の説明を見聞きするだけではなく、そこで得た知識を「自分のことばや経験を通して説明したりするランゲージングによって、深く理解し、その結果として、使える知識になるのではないか」と話します。
鈴木教授らが日本人大学生を対象に行った実験(Ishikawa & Suzuki, 2023)では、言語を分析的に捉えることが苦手な学生たちはランゲージング活動によって文法理解が高まることがわかりました。言語を分析的に捉える能力は、英語学習がうまくいくかどうかに大きく影響する個人差の一つ。「ランゲージング活動には、個人差を埋める可能性だけではなく、さらには、個人差を変える可能性があるかもしれません」