2024年4月11日 13:00
GSアライアンスが、再生材料であるブラックマスから作る環境に優しいサスティナブルなリチウムイオン電池用正極材料を開発
このように当社の独自の方法で合成したブラックマス由来の正極を用いたリチウムイオン電池は、市販のNMC111(LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2)と呼ばれる正極材料と比較して、85-90%の初期容量を示し、100サイクル後もNMC111と同じく、比較的安定していました。リサイクル材料の欠点であるLi, Mn, Mn, Coなどの含有金属の元素含有量のブレも調整して、安定的な電池容量、サイクル特性が発揮できるように出来るだけ最適化しています。
このように、このブラックマス由来の正極材料は、リサイクル材料を使っており、合成法も毒性がなく、安価な方法なので、環境に優しい、サスティナブルなリチウムイオン電池用の正極材料です。
これらの成果は、今年8月に米国コロラド州デンバーで開催されるアメリカ化学会の秋季年会で発表される予定です。
GSアライアンスとしては、このようにして作成したブラックマス由来正極を、今後、国内外の興味のある顧客に対して、提案、サンプル対応していく予定です。
従来の方法との比較
合成、リチウムイオン電池を再び作る概念図
■ブラックマスとは
現在検討が進められているリチウムイオン電池のリサイクルの主な方法においては、まず、使用済みのリチウムイオン電池を回収、分解、粉砕して、主なベースメタル(埋蔵量、産出量が多く、比較的精錬、回収が簡単な金属)