芝浦工大が二酸化炭素をメタンに変換する反応器を開発 温室効果ガスの排出削減に有望なアプローチを提供
この目的のための有効な手段のひとつは、ボイラーから排出されるCO2を回収し、メタンなどの有用な生成物に変換することです。これを実行するためには、気体の分離だけでなく、化学反応も促進できる供給型膜反応器(Distributor type membrane reactor:以下、DMR)と呼ばれる特殊な反応器に注目しました。学術的にもDMRの報告例は少なく、CO2をメタンに変換するための応用、特にボイラーのような小規模システムでの応用は、これまで検討されていません。
■研究の概要
研究チームは、CO2を効率よくメタンに変換するための反応器の設計を効率化するため、数値シミュレーションと実験的研究の両面からこの問題に取り組みました。シミュレーションでは、様々な条件下でガスがどのように流れ、反応するかをモデル化しました。その結果、DMRにより温度変化を最小限に抑え、副反応を抑制することで、効率的にメタンが得られることが分かりました。具体的には、従来の充填型反応器と比較して、DMRでは、温度上昇を約300度抑えることが可能と見出しました。
反応器の効率に影響を与える他の要因についても調査することで、混合物中のCO2濃度が重要であることを発見しました。